「恐怖の突然死」中高年が覚えておくべき“兆候と対策” (2/2ページ)

日刊大衆

まず大動脈解離が起こり、胸の痛みで車を停めた直後に亀裂が心臓まで達し、失神して体が硬直。そのまま足がアクセルを踏んだため、今回の大惨事になったと、石蔵教授は推測している。「車の運転中に胸や背中に急な激痛を感じたら、まずギアをニュートラルにする。または、路肩に車を寄せてサイドブレーキを引く。これが後続車に追突されたり、巻き添え事故を防ぐために大切です」(前同)

 レスリングの吉田沙保里さんの父親・栄勝さん(当時61歳)は2年前に高速道路を運転している際に、くも膜下出血を発症し、急死しているが、「きっと激痛の中、車を路肩に停めたんでしょう。おかげで、他の車を巻き添えにすることがありませんでした」(同)

 交通事故総合分析センター、日本自動車工業会の統計によると、2007年から12年までの5年間では、心臓による事故は1年間で20件前後、脳卒中などの脳が原因の事故が50件前後も発生している。特に、脳卒中による事故は中高年に多いという。もはや他人事とは言えないのだ。では、脳の場合はどんな前兆があるのか。

 脳のトラブルに詳しい秋葉原駅クリニックの大和田潔院長(東京医科歯科大学臨床教授)は、こう話す。「ただの頭痛だと思っていたら、脳卒中の前兆だったというケースが少なくありません。つい最近も、首が痛いと来院された患者さんをMRIで調べたところ、椎骨動脈解離を起こしてました」

 椎骨動脈は首の根元にある動脈で、解離した部位を下手にマッサージしたりすると、プラークが脳血管に流れ、くも膜下出血などを引き起こす恐れがある。そのまま、いつもの“首の痛み”と放っておけば大変なことになっていたという。大和田院長によると、突然死を引き起こす脳血管障害には、痛みや通常と異なる感覚になるといった特徴があるという。

「一つは、急に激しい頭痛があり、これがずっと続くケースです。こんなときは一刻も早く救急車を呼ぶ必要があります」 また、「運転中に対向車が二重に見える」「ハンドルを持つ手が急に力が入らなくなる」「車を降りたとき、足下がおぼつかなくなったり、めまいがする」などと、いつもと感覚が違う「神経脱症状」を感じるときも、脳に重大な異常が出ている前兆の可能性が高いという。

 なるべく早く、専門病院でMRI検査などを受けたほうがいい。突然死の2大死因は心臓と脳だが、突き詰めると、最大の原因は動脈硬化により血管が詰まったり、破れてしまうことだ。「高コレステロール、高血圧、喫煙者は特に注意が必要です」(石蔵教授)

 また、「肥満気味の人や睡眠時無呼吸症候群の人、血糖値が高い糖尿病患者も心臓や脳の血管事故を引き起こしやすい」(前出の大和田院長)という。動脈硬化が進む中高年は誰もが突然死の可能性がある――。こう考えて、節酒禁煙、脂っこい食事を控えるなどの節制を心がけよう。

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