イルカの目を持つ人間の子どもたち。日々の大半を水中で暮らす海の遊牧民、モーケン族(タイ) (2/2ページ)

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 ところが、人間の目が水中にあるとき、角膜の厚みは同じでも、水から水では光は屈折しない。よって像が鮮明に結べないのでぼんやりとしか見えない。しかし、モーケン族の子どもたちは、瞳孔を狭めることによって、屈折力をうまく調整しているのだ。

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 現代の人間は水中では目が適応しようとしないため、こんなことはできないと考えられている。しかし、モーケン族の子どもたちは、瞳孔を小さくして、目のレンズの形を変えることができるのだ。

 もしかしたら、かつて人類にに備わっていたものの、進化の過程で削ぎ落されていった能力なのかもしれない。その証拠に欧米の子どもたちを訓練した結果、一時的にこの能力が得られたという研究結果もある。

 これは、アザラシやイルカにも備わっている能力である。すばらしい適応力だが、残念ながら永久的なものではない。モーケン族の子どもたちは、大人になるとこの能力のほとんどを失ってしまうそうだ。だが体は目で見えたときの感覚で覚えている。なので大人になってからも、海の中の生活に支障はないのだ。


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