年収300万円しかなくても幸せになれる「お金とのつきあい方」 (2/4ページ)

Suzie(スージー)

ソクラテスはそんな心の状態を“魂の病気”と呼んでいます」

“魂の病気”といわれるとドキッとしてしまいますが、現代でもお金が価値観の中心になってしまうことはあります。

では、魂の健康とは? 藤田さんによれば、ソクラテスの答えはこうです。

「人間の心には、本来優れた能力がたくさん備わっているもの。それらが本来の役割を果たし、善いものを善い、美しいものを美しいと感じられる状態が“魂の健康”で、魂が健康でないかぎり幸福はありえない、とソクラテスは考えました。彼の哲学的問答は、魂を健康にする治療のひとつだったんです」

■豊かな生活はあくまで“おまけ”!

そして、ソクラテスの時代から2400年後の現代。

日本では雇用が不安定だったり、老後の生活資金が不安だったりとお金に関する悩みが尽きません。「もっと生活を豊かにしたい」という願いも、多くの人が持つ切実な思い。それでも、豊かさを願うことで魂は傷ついてしまうのでしょうか。

藤田さんにそう伺うと、「私も30歳を過ぎるまで大学の非常勤講師で年収200万円台の期間が長かったので、もっと生活を豊かにしたいという思いはすごくよくわかります。だけど、わかるからこそ、その思いは危険だと、あえていわせていただきたいのです」とのこと。

ソクラテスの思想の根幹をなすのは“自分はどういう人生を生きたいか”という問いかけ。

藤田さんは「豊かな生活とは、その問いかけに答えて真剣に生きたときについてくる“おまけ”であるべきなんです。もっと生活を豊かに、という願いにつき動かされて人生を組み立てることは、やっぱり優先順位を間違えてしまっているんじゃないかと思うんです」と指摘します。

魂を健康に保ち、幸せに生きるには、人生の基準を「お金」ではなく、善いものや美しいものに置いてみること。

貧しい人を蔑んだり、“お金持ち”という理由で誰かをあがめたりせず、お金以外の価値を理解できる人と交流して、お金では量れない価値にたくさん触れること。それらが大切だと藤田さんはいいます。そのことを忘れさえしなければ、魂を傷つけることなく生活の豊かさを追い求めることも、不可能ではないのです。

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