新聞見出しの鵜呑みはNG!「子どもの声がうるさい」だけじゃない、保育園開園断念の理由
ここのところ相次いでいる“保育園開園断念のニュース”、皆さんもご存知かと思います。
マスコミがこぞって取り上げるその見出しは、揃いも揃って「子どもの騒音懸念」というもの。
これは真実ではなのでしょうか? 保育園が建てられなかった実際の理由はそんな単純で、人が騒ぎ立てるセンセーショナルなものではありません。
今回は、筆者がそう考える理由をご説明したいと思います。
■「子どもの声がうるさい」と市川や調布、沖縄で開園断念相次ぐ
市川市の事例を筆頭に、各新聞で取り上げられている見出しをまず見てみましょう。毎日新聞では、「私立保育園「子どもの声うるさい」開園断念」という見出し。
調布市の事例でも「私立・認可保育園 また騒音懸念の声 調布でも開園延期」、沖縄タイムズでも県内の事例を「「子どもの声がうるさい」新しい保育園、沖縄でも断念」という見出しで取り上げられています。
しかし、本当にそうなのでしょうか? 更に具体的に内容を追っていきましょう。
■偏った見出しに注意、開園断念の理由は「子どもの声」だけではない
その内容をよくよく読んでみると、「道が狭く安全が確保出来ない」、「保育園が面している道路が狭い」、「説明が遅い」、「説明会が無いまま開園計画が持ち上がった」など、騒音以外の理由もしっかり上がっていたようです。
それなりの大きさの施設を、それまで平穏だった住宅地に突然建てることを宣言されて、動揺しない住人がいるでしょうか。
行政が、地域住民にきちんとした計画と明るい展望を示すことは、最低限の責務です。
■欠かせない「地域住民からの理解」は行政の責務
保育園を断念せざるを得なかったのは、トップダウン式に慣れたサラリーマンのような行政が、「保育所が少ない」という昨今の声を受けて、安易な計画を立てたものの、地域住民に十分な理解を得るような根回しをしなかったからではないか、と筆者は考えます。
これは、完全に行政の落ち度です。
■新聞の見出しが持つ大きな意味
懸案の見出しは、「子どもの騒音をうるさがっている人が、もっと子どもを育てにくい環境を作るのだ」といったイメージを促進させています。周囲に迷惑をかけることに日頃から神経を使っている神経質で孤独な母親と、都市部でエネルギーを持て余し気味な子どもはまるでかわいそうな被害者です。
そのイメージが跋扈する世界では、保育園が設立されなかったのは完全に、「子どもに理解の無い非情な地域住民のせい」です。そして、施設必要不可欠である根回しをしていなかった行政の責任は、全く問われていません。
また、このような見出しが続出するということは、選ぶ私たちにも責任があります。
新聞や雑誌は部数が伸びる切り口を好むものです。無闇に騒がないようにした方が良いでしょう。
■育児のための世の中づくりに、私たちが出来ること
・子どもは社会の宝物であると認める
子どもは社会の宝、それは絶対の真実です。しかしながら、子どもがうるさいというのも紛れもない事実です。
この問題の周辺で、私たち母親に出来ることが2つあります。それは、“子どもが迷惑をかけるのは誰もが通る道であり、それを認めること”と、“それを許してもらえる環境に感謝すること”です。端的に言えば、良好なご近所付き合いをするということです。
私たち母親は、こどもを社会で育てる覚悟があるでしょうか。もしあるとしたら、うるさい子どもに怒鳴る近所のおじいさんにも、ありがたいと感謝の念を抱けるはずです。
仮に迷惑がかかったとしても、素直に「すみませんでした」という言葉が出れば、周囲の人々も子どもたちと母親に、もっと寛容になっていくはずだと思います。
それこそが、子どもという宝を、大事に叱ったり褒めたりして、社会で育てるということです。
・敵を作らない
マスコミの巧妙なイメージ戦略に乗せられて、身の回りの人間関係を分断しないようにしましょう。
特に“保育園問題”の責任の多くは行政に問うべきです。見出しに踊らされてご近所づきあいから益々遠ざかっては、“子どもを育てやすい社会”も遠ざかることがお分かりでしょうか。
目くらましをくらったように、大事なことを見逃すようなことのないようにしましょう。
いかがでしたか?
“見えない敵”に怯えて被害者になるより、自分で幸せな子育て環境を作っていく強さが、特に母親には今後はより必要とされると思います。
【参考・画像】
※ 「子供の声うるさい」開園断念 千葉・市川 – 毎日新聞
※ また騒音懸念の声 調布でも開園延期 – 毎日新聞
※ 「子どもの声がうるさい」 新しい保育園、沖縄でも断念2件 – 沖縄タイムスプラス
※ kunio / xiangtao – PIXTA
【著者略歴】
※ mica・・・夫・姑・4人の子と共にシンガポール在住の子育てアドバイザー。暮らしニスタ、コラムラテ、阪急電鉄ブログでもコラムを執筆中。著者ブログにて、記事の裏話を更新しています!執筆依頼はブログよりどうぞ。