名作妖艶シネマ「このセリフが悩ましかった!」(5)「女優を知り尽くした三者」座談会-その2-

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名作妖艶シネマ「このセリフが悩ましかった!」(5)「女優を知り尽くした三者」座談会-その2-

コトブキ 世代的に僕は若いので、最近の作品でチョイスすると、神楽坂恵(34)ですね。夫となる園子温が撮った「冷たい熱帯魚」(11年、日活)で、凶暴な村田(でんでん)に「脱げよ」と追い詰められ、そのうち殴られて、感じ出して「もっと殴ってください」と懇願。神楽坂の見事なバストもそうですが、夫が妻のそういうシーンを撮るという構図もそそる。

──やはり、妖艶なセリフに胸の大きさは最高のマッチングですね。

秋本 それで思い出したのは、ひし美ゆり子(68)が「新仁義なき戦い 組長の首」(75年、東映)で演じたヤクザの情婦役。

大高 あれは傑作だった。抱かれた男が次々と死んでゆくから「下がりボンボン」と呼ばれている女。

秋本 菅原文太の前で、裸でベッドに横たわり「あんたは前からね、それとも後ろからね?」って迫る。

──死にたくないものだから、誰もがバックでしかやらないとこぼしていましたね。

秋本 ひし美の豊満なおっぱいがすばらしいし、「後ろからね?」と言う時は尻を突き出している。やっぱり、セリフに肉体の露出がプラスされると、説得力がまるで違う。

コトブキ 昭和のエロスを再現したとして、単館系の上映にもかかわらず、かなりの観客を集めたのが「海を感じる時」(14年、ファントム・フィルム)の市川由衣(30)ですね。

──かつてのアイドルが、本格的な濡れ場に挑んだと話題になりましたね。

コトブキ 完全なヌードを見せたし、恋人(池松壮亮)に対して「私、してくれなきゃ帰れない」と口にする。男の気持ちが冷めつつあるのを、体でつなぎ止めようとするセリフでした。

──今の世代の女優だと、二階堂ふみ(21)も評価が高いですね。

コトブキ 父と娘の禁断の愛というテーマに挑んだ「私の男」(14年、日活)ですね。父(浅野忠信)に向かって「お父さん‥‥しよう」と言うセリフは有名だけど、それ以上に「あの人は心が欲しいんだ。だからあげたんだ」という立場の逆転を表す言葉。ゾクッとしましたね。

秋本 イメージを一新させたという点では吉本多香美(44)もすごかった。ソープ嬢に扮した「皆月」(99年、日活)は忘れがたい。

──北村一輝にサラダオイルを塗りたくられて、アナルを犯される伝説の場面がありました。

秋本 セリフとしてはソープの客として知り合った奥田瑛二との濡れ場がいい。正常位で交わりながら「キスして、かき回して!」と絶叫。最後に奥田が再びインサートしようとすると「私を捨てちゃイヤだよ」と泣き出すセリフもリアルに響きましたね。

──ただ脱ぐだけではなく、脚本の質に左右されますね。

「名作妖艶シネマ「このセリフが悩ましかった!」(5)「女優を知り尽くした三者」座談会-その2-」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 4/21号神楽坂恵ひし美ゆり子二階堂ふみ市川由衣エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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