社会人1年目には全て叩き込んでおきたい「情報収集」5つの鉄則
『社会人1年目からの「これ調べといて」に困らない情報収集術』(坂口孝則著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、「フレッシュパーソンのためのあたらしい教科書」と銘打って創刊された「やるじゃん。」ブックスのなかの一冊。
タイトルからもわかるように、「情報収集術」に関するノウハウがわかりやすく解説されています。
きょうはそのなかから、大切な基本について解説された「情報収集5つの鉄則」をご紹介したいと思います。
■1:情報収集は、上司へのヒアリングから
社会人になると、上司から「◯◯について調査して報告しなさい」と要求されることがあります。
しかし、ネットで検索しただけではよくわかりませんし、誰に聞いたらいいのかも検討がつかないもの。それどころか、資料が世の中のどこに存在するのかすらわからなかったりします。
そんな新社会人に対して、著者は自らの経験値をもとにアドバイスをしています。資料を作るに際しては、次の表の項目を明確にすることが大事だというのです。
・いつまでにつくればいいのか
・資料の目的は明確になっているか
・対象者は上司だけか、あるいは、さらに上の役員なども見るものか
・報告手段はなにを求めているか
・できれば、どういう結論を導きたいのか
・上司はどのくらい詳しいのか︎
特に重要なのは、「できれば、どういう結論を導きたいのか」。上司の意見を尊重しつつ、上司の仮説をていねいに修正し、適切な資料をつくることが大切だということです。
■2:資料は「会社に役に立つもの」でなくてはならない
情報収集とは、調べる行為だけではなく、考えることでもあり、さらには仮説を検証し続ける行為でもあると著者。
しかも仕事でつくった資料は、会社のなかで使われるもの。だからこそ、会社が得するのか、効率化するのか、コスト削減できるのか、売り上げが伸びるのが、社員の職場環境が改善するのかなどの「実利」を追求することが必要。
そこで資料をつくる前には、次のことを意識して情報収集をすることが大事。
・ネットだけのつぎはぎ資料になっていないか
・そのほか、情報源として信頼のおけないソースに拠っていないか
・書籍、雑誌、テレビといった情報の単なるまとめになっていないか
・あまりに原則論の、誰でもわかっている情報ばかりになっていないか
大切なのは、その情報から新たな発見を導くことだといいます。
■3:情報には「種類」がある
著者によれば、情報には、一次情報、二次情報、三次情報があるそうです。
一次情報とは、その情報源に直接当たったもの。誰かについて調べるとき、その人と会話したりインタビューすることです。
二次情報は、新聞や書籍、テレビ、ラジオ、論文などから得た情報。誰かの発言を間接的に得る場合もあてはまるのだとか。
一次情報を元につくりあげられているだけに密度は濃いものの、一次情報の「次」にあたるということを意識する必要があるといいます。
そして三次情報は、情報源すらわからなかったり、何重にも編集しなおされたりしたもの。正式かつ厳格さを求められる資料であれば、避けるべきだということです。
また、どの情報であれ、それが「事実」なのか「分析」なのか「希望」なのかを意識しなくてはならないわけです。
■4:情報は常に疑おう!
一次、二次、三次に限らず、その情報が信頼に足るものかどうかを意識することはとても大切。
そして一次情報を使うときは、それを裏づける他の一次情報か二次情報を探すべき。つまり、重要なのは二重で確認すること。
そのうえで大切なのは、直感的にも正しいかを常に自問すること。新しい内容に接するときは、「ほんとかな」と5回くらい疑うべきだといいます。
■5:情報収集は「時間」が命
資料提出に際しては、なによりも「期限」を守ることが大切。
期限ぴったりに資料を報告したら及第点、期限より早ければ得点は3割増し、遅延は3割減だと著者はいいます。
さらにもうひとつ重要なのは、情報の鮮度。つまり「いつの時点の情報を使うか」。常に資料の趣旨・目的をとらえ、多くの人たちが納得してくれるかを自問するとよいそうです。
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情報収集は社会人に必須のスキルであるだけに、目を通してみればきっと役立つはず。また新社会人のみならず、すでに相応のキャリアを身につけている中堅ビジネスパーソンにとっても、忘れかけていたことを再確認するのに最適だと思います。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※坂口孝則(2016)『社会人1年目からの「これ調べといて」に困らない情報収集術』ディスカヴァー・トゥエンティワン