施設は毎月25万円以上って本当?気になる介護費用の疑問を解明
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老後
最近、「親の介護のため仕事を辞めざるをえなくなり、生活が苦しい」とか、「両親の介護費用のために貯蓄が減ってしまった」という話を聞くことがあります。
自分たちの介護にかかるお金の準備をするより先に、両親の介護にかかるお金が心配だという方も少なくないでしょう。
しかし実際問題として、介護の費用はどのくらいかかるのでしょうか? 今回はみなさんの気になる疑問を解明していきたいと思います。
■公的介護保険から保障を受けられる!
公益財団法人 生命保険文化センターが、「年代別人口に占める要支援・要介護認定者の割合」というデータを発表しています。

これによると、日本人が老後の介護状態になる確率は、80~84歳では29.9%、85歳以上で60.3%。確率は75歳をすぎたあたりから急速に上がりはじめます。
平均寿命が女性86.41歳、男性79.94歳(2012年)という世界一の長寿国に生まれ育った私たち。人生の最終コーナーのあたりで、どうしても介護状態になる確率が高くなるようです。
介護にかかる費用については、国の公的介護保険が導入されたため、介護保険の対象サービスを受けた場合の自己負担は1割で済むようになりました(2015年8月より一定収入以上の方は2割)。
つまり居宅サービスを例にとると、もっとも多く介護サービスを受けることができる要介護5の人でも、自己負担の上限金額は36,065円というわけです。
さらに、健康保険の高額療養費制度と同様介護保険にも「高額介護サービス費」という制度があり、一般世帯の場合であれば、37,200円を上限としてそれ以上自己負担が増えないようになっています。

ただ、介護の状態や環境によっては、支給限度を超えたサービスが必要になる場合もあり、それは全額実費となってしまいます。すると、次に気になるのは実費がいくらになるのか、ですよね?
これについては、同じく公益財団法人 生命保険文化センターの「介護保険からの給付と自己負担額(1ヶ月分)」にある介護費用例からイメージできるようになっています。
あくまで例ですが、月額サービスの利用合計金額が277,070円(訪問看護40,700円、訪問介護85,360円、デイケア100,360円、ショートステイ25,650円、福祉用具貸与25,000円)で、要介護度別の支給限度額(本事例は要介護3)が269,310円。
つまり、277,070円から269,310円をひくと7,760円になるので、7,760円の自己負担があるということになります。
■本当に毎月25万円以上もかかるのか
こう見てみると、「それほど介護費用がかかるのか?」という疑問が生まれますよね。
介護の話になると「施設に入れば毎月25万円以上はかかる」というような話をよく聞きます。
しかし、これは「有料老人ホーム」に入所した場合なのです。
同じ施設でも「特別養護老人ホーム」であればこんなに費用はかかりません。ただし東京をはじめ各地とも、「特別養護老人ホーム」は定員がいっぱい。順番待ちも相当な人数です。
つまり、ここに介護の問題があるわけです。
「介護が必要な両親がいる。でも費用の安い施設は定員がいっぱいで入れない。かといって高額な有料老人ホームに入れることはできない。結果、自宅で介護をせざるをえない」
こんな図式なのです。自宅で介護となれば、働き方にも制限が出る場合があります。そのため収入が減り、生活苦という悪循環に陥るのです。
近年は、10万円台で入所できる有料老人ホームも増えてきました。10万円台であれば、両親の年金を考慮すると多少の負担で預けられるかもしれません。
親の年金受給額を早めに把握し、有料老人ホームの情報にもアンテナを張っておくことお勧めします。
(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝)
【参考】