被災者だけが対象じゃなかった…!震災後に誰もが気をつけたい「詐欺の巧妙な手口」3つ
平成28年4月14日に発生した熊本地震で被災された方々は、今もなお恐怖を感じながら不便な生活を強いられています。5年前の東日本大震災のときもそうでしたが、震災が起こるたび、少なからず混乱に乗じた詐欺事件が発生しています。
ですが、この詐欺事件、被災地にいる方だけでなく、全国の方が被害者となり得ることをご存じでしょうか?
今回は、誰もが気をつけたい“震災時に発生する詐欺の手口”を解説したいと思います。
■「震災後の詐欺被害」は誰にでも起こりうる
詐欺の被害者は被災された方々にとどまらず、“復興支援金名目”でお金を集める手口などでは全国の方が被害者となり得ます。
これは復興が収束するまで続くため誰もが頭に入れておく必要があり、特にお財布を握るママだからこそ知っておきたいことでもあります。
■震災後に気をつけたい「詐欺の手口」3つ
(1)相見積もりも有効手段!「リフォーム・耐震補修詐欺」
建築業者やマンション管理会社等を装い、「このままだと余震が来たら倒壊するおそれがある。」、「地震に耐えられるようにブレーカー工事が必要です。」などと言って、工事費の支払いを求める手口があります。
業者が実際に工事を行ったように見える場合でも、正規の値段より工事費が高かったり、不要箇所の修繕工事費を取られたりすることがありますので、安易に契約を締結せず、必ず相見積もりを取りましょう。
(2)信頼できる団体か見極めよう!「ボランティア、義援金・支援金詐欺」
ボランティア団体や市役所等の公共機関をかたり、「被災地へ送る物品の購入代金や支援金を集めています。」、「義援金(支援金)やふるさと納税を集めるこの地域の担当者です。」などと言って、口座への振込や現金の支払いを求める手口があります。
きちんとしたボランティア団体や公共機関が、現金でお金を集めることは絶対にありません。また、振込みの場合も正規の団体の振込先ではない場合がありますので、“正規の振込先だと確信が持てるまで”はお金を振り込まないようにしましょう。
なお、駅前などの公共の場所で募金を求めていることもありますが、これも信頼できる団体かどうかはすぐに判別がつきません。Jリーグの横浜FCが、“カズ”こと三浦知良が自ら駅前に立って募金活動を行ったことがニュースになりましたが、このように人目でわかるケースを除き、確かな団体かどうかは個々で充分に気をつけましょう。
また、被災地支援のため、少額であればお子さんたちもつい募金箱に入れてしまうかもしれませんので、ご両親はお子さんだけで判断して募金をしないように注意したほうがいいでしょう。
(3)取り戻すのが難しい、身内を騙る「振り込め詐欺」は本人確認できるまで待って!
被災者の親族を騙り、交通費や当面の生活資金を求めて、口座への振込や現金を求める手口があります。これも上記同様、本人確認ができるまでは、絶対に振り込んだりお金を渡したりしないようにしましょう。
なお、一度お金を渡してしまうとお金を取り戻すことは非常に困難です。
警察に被害届を出してもお金が返ってくる保証はありませんし、訴訟を起こすとしても加害者の住所や預金口座等を特定しなければならず、しかも加害者にお金がなかったときは、勝訴判決を得ても意味がありません。
ですから、このケースに限らずですが、誰かにお金を渡すときは、十分に注意しなければなりません。
■詐欺にあった後も油断ならない「取り戻す詐欺」って?
万が一詐欺に遭ってしまった場合、なにより大事なのは二次被害を防ぐことです。
詐欺の被害者に対し、実在の弁護士や公共機関をかたり、「お金を取り戻す手伝いをします」等と言って、お金を取り戻したい一心の被害者から、さらに現金をだまし取ろうとする手口があります。
詐欺に遭ったときは気が動転して判断力が低下しがち。危険な状態なので、最初にお金を渡したときよりも気をつけましょう。
前述したように、詐欺の被害にあった際、お金を取り戻すことは非常に困難ですが、口座への振込みの場合には返ってくる可能性があります。
いわゆる『振り込め詐欺救済法』という法律があり、振り込め詐欺などの被害に遭ったときは、まず警察と振込先の金融機関に連絡をすることによって振込先の口座を凍結し、その後金融機関への申請を行うと、振り込んだお金を取り戻すことができる可能性があります。
ただし、実際に口座にお金が残っていなければ取り戻すことはできませんし、手続をとってから実際にお金が戻ってくるまでに、少なくとも半年程度はかかってしまいます。
いかがでしたか?
被災者の方にさらに被害を与えたり、復興を願う人の善意を踏みにじる震災に乗じた詐欺は許せません。
皆さんには詐欺の被害に遭わないように十分に気をつけていただきたいですが、万が一被害に遭ってしまった場合は警察や弁護士などに気軽に相談してください。
【参考・画像】
※ 「振り込め詐欺救済法」に基づき、振り込んでしまったお金が返ってくる可能性があります。 – 政府広報オンライン
※ 横浜FCカズら募金活動「気持ちとして届けたい」 – 日刊スポーツ
※ たび助 / PIXTA
※ Photobank gallery / Shutterstock
【著者略歴】
※ 木川 雅博・・・星野法律事務所(港区西新橋)パートナー弁護士。損害賠償・慰謝料請求、不動産の法律問題、子どもの事故、離婚・男女間のトラブル、墓地・お寺のトラブルその他、法人・個人を問わず様々な事件を扱っています。