北朝鮮「新兵器」開発資金のびっくりな出所 (2/2ページ)
そのうえで、かたっぱしから車を呼び止め、「車が汚れている」など言いがかりをつけながら、ドライバーから罰金をむしり取っている。
罰金自体は、5000北朝鮮ウォン(約75円、コメ1キロ分)と大した額ではないが、度重なると、けっこうな額だ。ドライバーたちは口々に「どうせいつもの資金集め」と保安局をなじっているという。
しかし、保安局も苦しい立場にあるようだ。
北朝鮮当局は、道内の各機関に「対象建設」と呼ばれる施設の建設工事を、資金調達を含めて丸投げ。その成果は、党大会で「わが党の成し遂げた輝かしき成果」として示される。
未来院(図書館)、育児院(保育園)、愛育院(孤児院)の工事はほぼ完成しているが、軍の放射砲(多連装ロケット)を製造する5月10日採炭機械工場(羅南炭鉱機械連合企業所)の再建工事は、資金不足で進んでいない。
その資金調達のために、保安局は、交通違反の取り締まりをネタに、ドライバーからカネを絞り取っているというわけだ。
北朝鮮の各機関は独立採算制で、それぞれが外貨稼ぎ部門も持っており、海外でのレストラン経営や貿易を行ってきた。しかしそれも、美人ウェイトレスらの集団脱北の影響などで、徐々に苦しくなってきた。もしかしたら多連装ロケット工場の資金不足も、そこに原因があるのかもしれない。