夏の流行前に知っておきたい!合併症がコワイ…「手足口病の症状&予防策」
まもなく初夏が訪れ、“手足口病”が流行りだす時期になります。特に子どもたちに多い疾患であるので、あらかじめ基礎知識や予防策を知っておきたいもの。
また、“手足口病”は感染してしまうケースが多く、現在熊本震災の影響もあり、そのような環境で注意すべき点についても同時にご紹介します。
■夏風邪の一種なの?そもそも「手足口病」とは
“手足口病”は一般的に夏風邪の一種であると言われています。その原因として挙げられるのが、コクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71が主とされています。
これらウイルスに対して抗体がまだない乳幼児が感染してしまうと、手や足、口に水膨れのような発疹が出てきてしまうようなものを“手足口病”と言います。
大人になるとあまり“手足口病”に感染するということは聞かないと思われますが、これはウイルスに対する抗体が出来上がっているためです。
実際には体の中に入ってきているのですが、免疫が働くことによって症状の発症を抑えてくれていると言えます。
乳幼児がこれらのウイルスに感染すると通常感染してから3~5日後に、口の中や手のひら、足などに2~3mmの水膨れのような発疹が出ます。
あまり例は多くありませんが、ウイルス感染をしてしまっているということで、発熱を生じることもありますが、高熱となることは多くありません。
しかし、あまり高熱が出ないからと言って油断してはいけません。やはりウイルス性の疾患であるということですので、第三者に感染してしまったり、後述しますが合併症などのリスクも十分に考えられます。
■最も気をつけたいのは合併症?「手足口病」の症状
“手足口病”は前述したように口の中や手のひら、足と言った形で末端部分に水疱上の発疹を発症させます。
水膨れができていると思って放置しておくと“手足口病”だったということもしばしば。
通常“手足口病”そのものは、発熱も全体の3分の1くらいでしか見られませんが、時に38℃ほどの高熱を2~3日くらい出してしまうことがあるので注意が必要です。
症状としては一般的に前述したようなものであり、重篤化するケースはあまり多くなく、数日で治癒することが多くあります。
しかし、ここで注意しなくてはならないのが合併症です。これまでの文章を読んで頂いた場合、“手足口病”だからといってそんなに怖いものではないと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
とはいえウイルスによる感染症なので、それが時に大きな合併症を引き起こしてしまう可能性も考えられます。
例えば、脳炎などの中枢神経系の合併症の他、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることがあります。
■まずは小児科への受診を!特効薬のない「手足口病」の治療と予防
“手足口病”は原因となるものがウイルスということを前述しました。インフルエンザなどのウイルス性疾患であれば最近徐々に治療薬なども開発されてきてますが、“手足口病”における特効薬は存在しません。
ですから“手足口病”になってしまったら、経過観察を行うことが重要となってきます。通常は4~5日くらいで良くなるものですが、まずは小児科へ受診するということを心がけるようにして下さい。
中枢神経症状などの合併症が出てきてしまったら、入院の可能性も十分に考えられますので、症状が落ち着くまでは身体に異変が起こっていないかどうかなどを、常に注意深く見るようにしましょう。
予防を行うためにはまず、感染経路を知っておく必要性があります。残念ながら“手足口病”に対するワクチンはありません。
“手足口病”の原因となるウイルスの感染経路は飛沫(ひまつ)感染、接触感染、糞口(ふんこう:便中のウイルスが身体に入ってきてしまうこと)感染などがあります。
特に飛沫感染は唾液を介して感染することが多いので集団感染を引き起こしてしまう可能性が考えられます。
感染の予防のためにも普段から手洗い・うがいを入念に行うようにしましょう。
筆者も東日本大震災の被災者で経験しておりますが、今回の熊本地震で避難されているような場合は、やはり避難所では多数の方と同じ空間にいるということになりますので、感染症が広がってしまう可能性も否定できません。
ですから、消毒液などが援助物資である場合は最大限に有効活用するようにしましょう。
【参考・画像】
※ 手足口病Q&A
※ aldegonde / Shutterstock
【著者略歴】
※ 川上 智史・・・北里大学大学院医療系研究科医学専攻博士課程修了、医学博士。予防医学を専門とし、医学的に美と健康に主眼を置き研究を続ける。各種教育機関や講演会において予防の重要性を啓発している。