12 名の米陸軍パラトルーパーが圧倒的多数の武装勢力と交戦。265 名を殺害

U.S. Army photo by Staff Sgt. Daniel Love
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「イラク陸軍の兵士が武装勢力との交戦で 10 名死亡した。現場の指揮官は交戦に巻き込まれており、支援が必要となっている―」
「これから派遣される現場には、せいぜい 15 ~ 20 名ほどの武装勢力がいる程度だ」「そして現場の上空を旋回する味方の武装ヘリコプターに対して、近接航空支援 (CAS: Close Air Support) の指揮を執ってほしい」軍事顧問 (MiTT: Military Transition Team) の一員として派遣された、米陸軍のトーマス・バラード (Thomas Ballard) 曹長は、この後に激しく銃火の飛び交う戦場へその身を投じることになるとは、この時全く予想だにしていなかった。
2007 年 1 月 28 日、陸軍 第 25 歩兵師団隷下の第 4 空挺旅団戦闘団 (4th Brigade Combat Team (Airborne), 25th Infantry Division) 「スパルタン」に所属する 12 名のパラトルーパーに対して、イラク中南部の都市ナジャフ近郊で、武装勢力と交戦中のイラク陸軍を応援するよう指令が下った。

Photo: via Flightfax No.46 / U.S. Army
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現場に到着するや否や、バラード曹長のチームは上空を飛行中だった AH-64 アパッチ攻撃ヘリコプターが墜落するという、目を疑うような光景を目撃する。
「アパッチの墜落でこの時派遣された全ての状況が一変した」と、バラード曹長は後に回顧している。
墜落した機体の処理に当たっていたバラード曹長のチームを、突如、武装勢力による激しい攻撃が襲い掛かる。機関銃、RPG と重武装した一団による襲撃が戦いの幕開けだった。
援軍が到着する 3 時間近くに渡って激しい銃撃戦が繰り広げられた。バラード軍曹のチームはその間、脇目も振らず武器を手に取って一心不乱に応戦し続けた。M4 アサルトライフル、M203 グレネードランチャー、機関銃と持っていた銃火器の全てを投入して撃ちまくり、その場を凌いだ。その数、実に「11,000 発の弾薬を消費した」とされる。

Photo: 4/25 ABCT / US Army Alaska
周辺一帯を覆っていた砂埃が収束し、ようやく凄まじい状況が明らかとなる。そこらかしこに転がっていた武装勢力メンバーの亡骸は 265 体を数え、その後に 400 名以上を捕縛している。

Master Sgt. Thomas Ballard receives his Silver Star from Brig. Gen. James Huggins, 3rd infantry Division's assistant division command maneuver, during a ceremony Sept. 9. Ballard, Lt. Col. Stephen Hughes and Maj. John Reed were honored for their action during a firefight Jan 28.この激戦の中で獅子奮迅の活躍が評価され 12 名の全戦士に対して、戦闘功労付きの陸軍称揚章 (Army Commendation Medal with Valor Device) が贈られている。なお、中心的活躍を担ったバラード軍曹については後に銀星章 (Silver Star Medal) が、また別の 2 名のチームメンバーについても青銅星章 (Bronze Star) へ格上げとなっている。