ケンカすらも良い兆候!? 話題の「レッジョ・エミリア教育」が子どもの自主性育む理由
子どもには最高の教育を施したい。それは私たち親すべての願いです。
イタリアの小さな地方都市レッジョ・エミリアで始まった『レッジョ・エミリア教育』は、その特殊性とこども達への確かな影響力で、今世界的に注目されています。
今回はその“レッジョ・エミリア教育の特徴とメリット”についてご紹介します。
■地域ぐるみの教育法「レッジョ・エミリア教育」ってなに?
およそ人口15万人の地方都市であるレッジョ・エミリア市は、日本の人口最下位の鳥取県がおよそ57万人と聞けば、その小ささがよく分かると思います。
戦後間もない時期にこの地で、教育家ローリス・マラグッツィの指導と、市をあげてのバックアップで、6歳までの幼児教育の基礎が築かれました。
レッジョ・エミリア教育は“地域ぐるみの教育法”なのです。
■ケンカもいとわない!? 「レッジョ・エミリア教育」の特徴
・「自由な表現」を保証する空間
市内33の保育所は全てピアッツァと呼ばれる、子どもが自由に使える共同空間と、様々な表現方法道具を備えたアトリエが設置されています。
その空間に、“ペタゴジスタ(教育専門家)”と“アトリエリスタ(芸術専門家)”を園に1人ずつ備えています。
こども達はアトリエに置いてある様々な道具を使って、専門家のアドバイスを受けながら、自分のアイデアを具現化することを指導されます。
アトリエにある道具は、小石や葉っぱからドラムセット、パソコンに至るまで、私たち日本人の想像を超えているそうです。
・ケンカをもいとわないプロジェクト活動
こども達が行うプロジェクトは、まず話し合いによりテーマを決めます。 そこでは主張の違いが元で起こる葛藤や対立は避けられません。
レッジョ・エミリア教育ではむしろこれを歓迎し、こども達の育ちに必要なものとして見守ります。
・保育者と保護者をつなぐ「ドキュメンテーション」
こども達の意見、討論、活動の写真などの記録は、専門家と保育者に注意深く観察され、記録・文書化されます。
これにより、親はこども達が何をしているのか、どんな考えを持っているのかを知ることができ、それについて保育者と意見交換をすることができます。
こども達は、記録を見て額をつき合わせて話し合う大人の姿を見て、自分たちがしている行為には大切な意味と価値があるということを、大人の態度を見て感じることができます。
■ 主体的な学ぶ姿勢を!「レッジョ・エミリア教育」で得られるメリット
・興味が原動力!「自分が主体」となって学ぶ姿勢
レッジョ・エミリア教育では、一貫して“こども達が主体的に生きること”を指導されます。決して「これをしなさい」とは言われません。そしてその動機はあくまで、“こども達がワクワクすること、楽しいこと”です。
例えば、市内のある園では、“恐竜プロジェクト”が持ち上がりました。恐竜に興味を持ったこども達と共に調べるうちに、“実物大恐竜を描く一大プロジェクト”に発展したそうです。
また、雨に興味を持った子どもを発端に始まった“街と雨プロジェクト”は、雨が降り出すと人々の歩くスピードと姿勢の変化や、街路の風景をどのように変えるかに注目しました。
いずれも興味にはじまる“こども達がワクワクすること、楽しいこと”が軸となっています。
・「私とは、私たちである」共同で学ぶ姿勢
レッジョ・エミリア教育で大切にしているのは、“共同性”です。そこには、こども達と保育者、保護者、地域という入れ子のような構造があります。
間違いや失敗を大事にし、こども達は急がされたり緊張することがありません。
・アイデアを伝えるための「表現力」
したいことを“具体的に表現”するための道具や方法は、こども達の周りに、潤沢にあります。
プロジェクトのテーマを決める時、プロジェクトを進める時、こども達は相手を説得するための“交渉力と表現力”を求められます。
いかがでしたか?
昨今では“子どもの個性を伸ばす”という言葉が一人歩きしていますが、“共同して学ぶ”ことも大切だと改めて思います。
そしてこども達が失敗しないように、転ばないように、先回りして対策を取ることは、こども達のためではなく、大人自身の都合にすぎないのかもしれません。
地域ぐるみの保育や、子どもの自主性と共同性を大切にする幼稚園や保育グループが近くにあったら、ぜひ見学にいってみてくださいね。
【参考・画像】
※ レッジョ・エミリア幼児教育の紹介 – 福武ホール
※ プロジェクト活動を通した子どもの自律性・協同性が育つ過程の検討 – 愛知江南短期大学
※ FamVeld / wavebreakmedia – PIXTA
【筆者略歴】
※ mica・・・夫・姑・4人の子と共にシンガポール在住の子育てアドバイザー。暮らしニスタ、コラムラテ、阪急電鉄ブログでもコラムを執筆中。著者ブログにて、記事の裏話を更新しています!執筆依頼はブログよりどうぞ。