がん患者の「3割」にうつ的症状!患者の心に響く言葉とは何か? (2/4ページ)
中途半端に悩むから、一日中悩むことになる」とのこと。
これは、普通の悩みにも効き目がありそうですね。
■クオリティ・オブ・デスという新しい価値観
2008年以来、3,000人以上の患者さん・ご家族に言葉を処方してきた樋野先生。十人十色の患者さんに、それぞれに合った言葉をどのように選んでいるのでしょうか。
「頭の引き出しのなかにある、若いときに読んで感銘を受けた言葉や自分が心得としている言葉をポンポンいっているだけ」だそうです。
「患者さんの風貌や顔をみていると、『この人にはこういう言葉がいい』という発想が出てくるんです」
そんな樋野先生が患者さんに贈る言葉は、ときにドキッとするものもあります。
「あなたには死ぬという仕事が残されている」
こんなことをいわれると、初めはショックを受ける人がほとんどですよね。
「いまの日本で死は日常から切り離されています。クオリティ・オブ・ライフはあっても、日本にはまだ死の質を高めるという意味のクオリティ・オブ・デスはまだないのです」
その観点からすると、「死は悪いものではない」という考えなのでしょうか、とお聞きしたところ、「悪いものというよりは、仕方のないもの、不条理なもの」というお答えが返ってきました。
ただ、患者さんが若かったり、子どもがまだ小さかったりした場合、なかなかそう割り切れるものではないと思います。
その点をもう少しお聞きすると、「それはもう不条理だから、なんのために生まれてきたのか、考えるしかないのです。自分の人生を残された人へのプレゼントとして生き切るという意味で、死ぬという仕事と言っているのです」と教えていただきました。
がんはそれに向き合うきっかけに過ぎない、ということなのですね。
■心の痛みに対応するには傾聴だけでは不十分
メディカル・カフェでは、言葉についで、「対話」を大切にしています。病院や、ときには家庭でさえも得られない「対話」を求めて、患者さんはカフェに集います。