クジラの肉を丸ごとえぐりとる、鋭い歯を持つ深海生物「ダルマザメ」
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熱帯の海を泳ぐクジラの体にぽっかりと空いた穴のような傷は、長年生物学者の首を捻らせてきた。その犯人を巡っては、フジツボ説、ヒジキムシ説、ヤツメウナギ説など、様々な説が提唱されてきた。しかし、この傷をつけた本当の犯人はどうやら「ダルマザメ」であるという。
“デーモン・ホエール・バイター(クジラの咬みつき魔)”としても知られるダルマザメは、1,000~4,000mの深海に潜んでおり、クジラなどの巨大な獲物を求めて表面まで浮上してくる。体長50cm程度しかないが、自分よりはるかに大きい動物をも果敢に攻撃し、生きたまま体表の一部の肉を削り取って食べるという習性を持つ。
その被害者はクジラのみならず魚、イルカ、サメ、アザラシ、船、時に人間すらも、くっきりと丸くえぐられた特徴的な噛み跡が残されることとなるのだ。
南アフリカの専門家は1,700頭のクジラを調査した。彼らは1963年の8ヶ月の間にドンケルガット捕鯨場で捕獲された死体からデータを集め、傷口の治癒のステージに応じて分類し、傷がつけられた場所の分布や時期について分析した。
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調査の結果、イワシクジラ、ナガスクジラ、ニタリクジラ、マッコウクジラに傷をつけた犯人はダルマザメである線が濃厚で、1年の特定の時期に起きていると結論づけられた。イワシクジラの1頭は生きている間に138ヶ所も噛まれていたという。
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様々な種につけられたダルマザメの咬み傷。傷の治癒のステージに応じてまとめられた。
研究に携わった南アフリカ、ケープタウン大学のテオニ・フォトポーロウ(Theoni Photopoulou)博士によれば、噛み傷は南半球の秋から初春にかけてつけられているという。このことは、この時期クジラがダルマザメが多く生息している海域を通過していることを示しており、これまで考えらえていたほど低緯度で過ごしてはいないという事実が明らかとなった。
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)縦軸は傷跡の数、横軸は1年の日に対応。Sei = イワシクジラ、Fin = ナガスクジラ、Sperm = マッコウクジラ、Offshore Bryde = ニタリクジラ。
「中型のマッコウクジラは完治した傷跡が多い。このことはマッコウクジラが噛まれた海域の外で過ごす時間が長いことを示唆しており、その成体および成長中の個体の移動に関する理解にある大きなギャップの手がかりとなる」と『プロス・ワン』に掲載された論文で述べられている。
また、それは同時にマッコウクジラはダルマザメが好まない、あるいは捕まえにくい獲物である可能性、さらにはマッコウクジラはヒゲクジラ亜目に比べると傷の治りがかなり早い可能性も示唆している。
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ダルマザメは、獲物の体表に噛み付き、体を回転させることで肉塊を食いちぎる。このためアイスクリームディッシャーですくいとったかのような、半球形のえぐられた傷跡が残るのだ。これを可能にしているのは、ダルマザメの口の強い吸引力と下顎の鋭いのこぎりのような形状の歯列である。
ダルマザメによってつけられた船(左)とクジラ(右)の傷跡
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ダルマザメの攻撃は、大型の動物に致命傷を与えるには至らないが、捕獲されたマグロなどがこの独特な傷跡を残したまま市場に並べられる姿は見ていて痛々しいものがある。
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自分よりも大きくて力の強い大型の動物から死なない程度に肉を得て生きるダルマザメの戦略は、餌の少ない深海という環境に適応した一つの手段と言えるだろう。
動画はダルマザメの犠牲者たちが次々と登場するので閲覧注意だ。
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via: href="http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3546085/Just-thought-safe-water-Deep-sea-Cookie-cutter-sharks-emerging-darkness-bite-chunks-migrating-whales.html" target="_blank" title=""dailymail. The Vicious Cookiecutter Shark | Jaws Strikes Back translated hiroching / edited by parumo
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