若い世代に大人気のSNS”インスタグラム”でもハッシュタグ「#カットオフ」で検索すればあっという間に2,000件以上の写真が引っかかる……。目下熱い注目を浴びているのが『切りっぱなし／カットオフ』だ。デニムの裾をあえて切りっぱなしにするスタイルが大流行中で、天下のユニクロも推奨中。ということでユニクロの新製品デニムを編集部でいそいそとカットオフしてみた。やってみたコーナーの第2弾だ。


■自分でカットオフできるって本当？
ユニクロの広報担当者から編集部に、熱いプッシュを受けた『切りっぱなし／カットオフデニム』。つまりユニクロのデニムならリーズナブルだから、自分で切っちゃっても、ちょっとくらい失敗しても許せるよね……ということか。

足首を強調することで全体が華奢に見える効果もあるという『カットオフ』。ユニクロ広報の調べによれば、海外セレブのみならず渋谷・原宿のストリートでも1時間で50人はカットオフで闊歩する人を見ることができるということで、流行しているのはよくわかった。そしてそういう若者たちはみんな自力でカットオフ（DIY）しているのだそう。なるほど、後処理をせずに切りっぱなしでいいのなら、それは簡単そうである。

せっかくなので言い出しっぺのユニクロに2種類の新商品を提供してもらって、実際に編集部でカットオフ作業を実践してみることにした。素材となったのは以下の2本。

写真左■WOMEN　ウルトラストレッチジーンズ
（商品番号138474・税抜3,990円）
写真右■WOMEN　スマートシェイプジーンズ（ハイライズ・レングス73.5cm）
（商品番号163820・税抜3,990円）


■WOMEN　ウルトラストレッチジーンズの特徴
通常の着こなしはこんな感じ。

驚くほどよく伸びると評判の新素材ウルトラストレッチ生地を使用。更に動きやすく、美脚効果もアップ。デニムらしい表面の感触とカジュアルな色味で、股上は少し浅めで女性らしく履ける。


■WOMEN　スマートシェイプジーンズ（ハイライズ・レングス73.5cm）の特徴

しなやかで肌触りの良いリヨセル混デニム使用。ポケットからお腹まわりにかけての内側はパワーネット生地を使い、お腹まわりを押さえてすっきり見せる効果がある。股上ハイライズではき心地に安心感があるのが特徴。

ちなみにモデルは普段着でもユニクロジーンズを履いている編集部員が務めた。ヒールを履いても違和感のないフォルム。

さて、この2本のジーンズをユニクロ推奨の”切りっぱなし/カットオフデニム”に手作業で仕立て上げる。もちろんやってみたい人はわざわざ新品を切り刻む必要はなく、タンスの肥やしになっていたジーンズでOKだ。

用意するものはまずハサミ。できれば裁縫用がおすすめ。まずは「ウルトラストレッチジーンズ」の裾を、チョキチョキと好きな位置でカット。

ただそのままではカッコがつかない。なので（下に新聞紙などを敷いて）軽石でこすってダメージを与える。さらに、カッターで横糸だけをカットして縦糸を残す作業を繰り返すこと二人がかりで1時間半。ちなみにダメージの与え方をネット検索すると、一度洗濯機で洗ってからカットオフする人もいるようだ。慣れてない作業だったと言え、なかなかの労働量。これは予想以上に大変だ。
 
カッターの切れ味が命ということがよくわかった。切れると切れないでは作業時間が大幅に変わってくる。

二人で90分の大作はこんな仕上がり。何気ない切りっぱなしだが、”ぱなし”というには結構な手間がかかっている。心して見てもらいたい。

さあ、今度はもう少し難易度の高いカットオフにチャレンジだ。

■もっともっとの気持ちを込めて、フリンジ状態にまで持っていく！
どうせならダメージ度がもっと強く、派手にアピールできるフリンジを作ってみるのはどうかという気持ちで編集部員は一致団結（二人だけど）。さらなる難関にチャレンジしようということになった。今度は「スマートシェイプジーンズ（ハイライズ・レングス73.5cm）」をダイナミックに変身させる。まずはハサミでチョッキン。そしてこれからが自分達は実は大変なことをしようとしていたことに気づくこととなる。

切れ味の良いカッター、軽石というラインナップではなかなかに手強いデニム生地。ちっとも作業が進まない。爪ブラシを使ったり、ネットで検索して剣山が良いと知れば100円ショップで入手してガリガリとデニムにダメージを与えていく。気がつけば3時間半を軽くオーバー。さっきよりは慣れているはずなのに、作業は遅々として進まない。

4時間を目前として、コツが掴めてきてちょっと楽しくなる。やっとのことで「スマートシェイプジーンズ（ハイライズ・レングス73.5cm）」の切りっぱなし/カットオフに成功。

つ、疲れた！　二人がかりで約4時間弱、先ほどのも合わせれば5時間半の荒行である。デニムにダメージを与えるのにそれ以上のダメージを人間が受けるとは思いもしなかった…。
■達成感はあった。しかしもう一度挑めと言われたら丁重にお断りしたい……
手芸などの手作業が根っから好きな人にとっては大した作業量ではないのかもしれない。ただ普段やり慣れていない人間にとってはかなりハードな5時間半だったということをここでアピールしておきたい。

正直、こんなことをするくらいならカットオフ済みのジーンズを買ってくればいいんじゃないの!?  という考えが頭をよぎらなかったと言ったら嘘になる。それでもこれだけ手間をかけるとジーンズに驚くほど愛着がみなぎるのも事実なので、時間と手間を惜しまないオシャレ最優先の人なら、切れ味の良いカッター、軽石、爪ヤスリ、剣山とともに、自分ならではのこだわりのカットオフにチャレンジしてみてもらいたい。

ちなみにここでの評価数は、自分たちの頑張りに対する満点である。