1歳から本を楽しめる!今注目の読書活動「アニマシオン」とは?
「子どもを本好きにしたいけど、読み聞かせにあんまり興味を持ってくれない。どうしたらいいの?」
そんな悩みを持つ未就学児ママも少なくないはず。子どもといってもひとりの人間。なにかを好きになってもらうのは、そう簡単なことではないですよね。
そんな悩み解決へのヒントにしたいのが「読書のアニマシオン」。フランス生まれ、日本でも徐々に広がりつつある活動です。
新刊『子どもの心に本をとどける 30のアニマシオン』(岩辺泰吏&読書のアニマシオン研究会編著、かもがわ出版)を参考に、1歳から大人まで楽しめる「読書のアニマシオン」について見ていきましょう。
■アニマシオンってどんな活動?
数人の子どもたちと、なかが読めないようにバンドでとめた本が数冊。
子どもたちはグループに分かれ、本のタイトルと表紙のイラストを頼りに「どんなお話かな?」と想像力を膨らませてにぎやかにストーリーを考えていきます。一生懸命考えたストーリーを発表したあと、「本当はどんなお話なのかな?」と、手にした本を開く子どもたち。
こうした活動が「読書のアニマシオン」と呼ばれるものです。
「アニマシオン」とは、「アニマ(anima)」=魂や心をいきいきと活性化させる活動。転じて、フランス生まれの「市民が主体的に取り組む生涯学習運動」を指します。
その目的は、グループで行うゲームのような活動を通して生活を楽しみ、心にゆとりを持つこと。指導役を務める「アニメーター(アニメトゥール)」は、1970年以降、「社会・教育・スポーツ・文化の活性化にあたる専門職員」として、国家資格を持つ職業になるなど、フランスでは広く知られた活動です。
アニメーターというとテレビアニメを描く仕事をイメージしますが、両者はまったく別もの。
しかし一方で、著名な漫画家・手塚治虫は、アニメーションとは1枚の絵に命を吹き込むことであるという趣旨の言葉を遺しているそう。魂・心を根本とした活動、という共通点があるといえそうです。
■遊びながら自分自身を見つける
本をツールとして「人生を豊かに生きる」ことを学べる活動、「読書のアニマシオン」。学校や地域の図書館を主な舞台に、遊びの要素も取り入れ、未知の世界や信頼できる仲間、そしてときには「自分はこんなことに興味があったんだ」と、自分自身も発見することもできます。
冒頭で紹介した「どの本、読もうかな?」や、本を読んで自分なりのタイトルを考える「新しいタイトルを考えよう」といった低学年から楽しめるものから、物語を途中まで読んで続きを想像する「きみたちが作家なら」、映画化された小説の一部を読み、グループごとに「どの場面を映像化するか」を発表したあとに実際の映画を見て感想を述べ合う「きょうはきみが映画監督」といった深い読みが必要なものまでさまざま。
いずれも、仲間と楽しく想像力をはたらかせて楽しみます。
■アニマシオンは1歳からOK!
一方、字を読んだり書いたりすることができない未就学児も本に親しむことができるのも、読書のアニマシオンの魅力のひとつ。
本書は、教員や司書らで活動する<読書のアニマシオン研究会>が、約20年にわたる活動の成果をまとめたもの。実際にアニマシオンに取り組む図書館職員らのレポートも数多く紹介されています。
そのなかのひとつ、徳島市立図書館副館長の廣澤貴理子さんの体験レポートでは、1~3歳の未就学児を対象とした活動について書かれています。
絵本をテキストに、声を出したりお母さんと子どものスキンシップを多用したりと、参加型で行われるのが、1~3歳児を対象としたアニマシオンの特徴。絵本に出てくる生き物の絵を描いたカードを配り、手持ちのカードがお話に登場したら子どもにカードをあげてもらったり、並べてもらったり。
紙芝居『まんまるまんま たんたかたん』では、リズミカルなセリフを一緒に声に出して読みながら手をたたくなど、ストーリーが理解できない年齢でも、動きや絵を使ってわかりやすく楽しめるよう工夫されています。
活動をすすめるアニメーターである廣澤さんは、「私は子どもたちの心に一粒の種をまく人でありたいと思います。
小さな積み重ねは、かけがえのない財産になります。ひとりでも多くの子どもたちに本の楽しさを届けるためにいま、置かれているところで自分も楽しみながら続ける、これに尽きると思います」と語ります。
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子どもたちが「本って楽しいな」「知らないことを知るって楽しいな」と思えるように、いろいろな仕掛けで本との出会いを演出する「読書のアニマシオン」。本書では、具体的な30のアイデアが紹介されています。
図書館での取り組みはもちろん、児童館や数人のママが集まって手作りで挑戦することもできそう。本書を読書への扉を開くきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
(文/よりみちこ)
【参考】