最近増えてる格差離婚!? 「夫よりも収入が高い妻」子どもの養育費はどうなる?
今や、妻のほうが夫よりも収入が多いご家庭も珍しいとはいえなくなってきました。
特に、芸能人では妻の収入が多いこともよくあり、“格差婚”などと言われていますね。
今回は、記事を読んでいるママ・パパたちにはちょっと不吉かもしれませんが、“格差婚”の場合、別居したり離婚したりしたら、「(元)妻のほうが(元)夫に生活費や養育費を渡さなければならないの!?」というテーマについて解説したいと思います。
■基本的には「収入の高いほう」が生活費を渡さなければならないけれど…
別居していても、離婚が成立しておらず夫婦である以上、夫婦はお互いに自分と同等の生活を送らせる義務(“生活保持義務”といいます)を負っています。
したがって、妻のほうが収入が多いときは、収入の少ない夫に対して生活費(婚姻費用)を渡さなければならないのです。
そして、渡すべき生活費の額は、裁判所が公表している“養育費・婚姻費用算定表”によって判断されることが多くなっています。
もっとも、算定表の金額にはお子さんの監護費用も含まれていますので、妻のほうが収入が多いけれどもお子さんも妻が育てている場合には、お子さんの監護費用分を除いた額を夫に支払うことになります。
■夫が原因の場合はどうなるの…!?
「夫が不倫して出ていったのに、それでも私が夫の生活費を払うの!?」、「夫が勝手に仕事を辞めてしまったので、たまたま私のほうが収入が多くなっているだけなのに……」などと疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
そのようなときは、支払額が減額されたり、全く生活費を支払わなくてよくなる場合もありますので、弁護士に相談したり、調停を申し立てて調停委員に話をしてみることをお勧めします。
理不尽なく解決したいものです。
■例え夫より高収入でも、離婚後の養育費は「ママがもらえる」ことが多い
離婚後は夫婦でなくなるので、相手の生活費を支払う必要がなくなります。
そして、養育費はお子さんのために支払われるものなので、お子さんを育てていない親のほう(非監護親)が養育費を支払う義務を負います。
したがって、元妻の収入に関係なく、養育費については元妻がもらえることが多いでしょう。
養育費の額も基本的には算定表で決まりますが、元夫が無職・無収入である場合でも、お子さんに対する「養育費支払義務を免れない」とした審判例もありますので、算定表だけを見て、養育費の請求をあきらめる必要はありません。
なお、よく勘違いする元夫が多いのですが、元妻が再婚しただけでは、養育費が減額されたり支払わなくともよかったりすることはありませんので、この点は注意が必要です。
以上のように、原則として、「生活費は収入が多いほう、養育費はお子さんを育てていないほうが支払う」と覚えておけばよいでしょう。
ただし、当然この記事を読んでいただいているママ・パパたちの「役に立つ日が来ないこと」を願っています。
【参考・画像】
※ 養育費・婚姻費用算定表
※ marcogarrincha / tanja-vashchuk – Shutterstock
【著者略歴】
※ 木川 雅博・・・星野法律事務所(港区西新橋)パートナー弁護士。損害賠償・慰謝料請求、不動産の法律問題、子どもの事故、離婚・男女間のトラブル、墓地・お寺のトラブルその他、法人・個人を問わず様々な事件を扱っています。