2人目は経腟分娩がいい…!木下優樹菜も経験した帝王切開後の「VBAC出産」ができるトライアル条件5つ
最近、話題になっている“VBAC”。
「前回の出産が帝王切開だったママが、2人目を経腟分娩すること」を指しますが、ママタレントの木下優樹菜さんもインスタグラムで、VBAC出産だったことを公表されていましたね。
ただ、誰もが必ずできるというものではありません。経腟分娩をトライアルするにはいくつか条件があるのです。
そこで今回は助産師である筆者が、その条件とメリット、デメリットについて説明していきます。
■「VBAC出産」のメリットって?
帝王切開は術後の傷の痛みがあるため、どうしても赤ちゃんのお世話が遅くなりがちです。ましてや上の子もいるわけですから、お母さんの身体の負担はどうしても大きくなります。
経腟分娩ではそのような傷の痛みに苦労することもありませんし、回復が早いですから身体が楽であるのは言うまでもありません。
また経腟分娩の場合は、帝王切開よりも入院期間が短くて済みますし、退院後、上の子との生活を考慮しても都合の良いことが多いですね。
そして何より、経腟分娩を望むお母さんにとっては、出産に対する精神的な安堵や満足感、達成感が大きいでしょう。
夫婦でリスクをしっかりと理解し、母子共に安全が確保できる環境にあるなら、VBACのトライアルにはとてもメリットがあると言えます。
■デメリットには「子宮破裂」の危険性!?
しかし、それには多くのリスクが伴うことも忘れてはいけません。
出産方法はお母さんの意思が尊重されるべきですが、それはあくまでも母子の安全が基盤にあってのこと。トライアルに関する説明を夫婦そろって十分に受け、リスクを理解し、最善の方法を選択してください。
トライアルの際、最も危険なのは“子宮破裂”です。
その確率は0.4~0.5%で、予定帝王切開の約2倍とされています。母体死亡に至る確率は低いですが、児死亡率は子宮破裂でない場合も含め、予定帝王切開に比べると若干高くなります。
■「VBAC出産をトライアルできる」5つの条件
(1)赤ちゃんが骨盤を通過できる大きさであること
(2)経腟分娩を試みている途中でも、緊急手術が可能(な施設)であること
(3)これまでの帝王切開歴が1回のみで、術後の経過が良好であったこと
(4)前回の帝王切開の際、子宮を“横切り”していること
(5)これまで、帝王切開以外で、子宮を切るような他の手術をしていないこと
■まずは母子の安全を最優先
出産は赤ちゃんが元気に産まれてくることが当然であるべきです。しかし、必ずしもそうではないということをしっかりと認識しておく必要があります。
出産は何が起こるか分かりません。ですから、医療者側もまずは母子の生命を守ることが最優先であると考えています。
母子の健康状態、お母さんの希望、出産場所の環境が条件に合うのかなど医療者側と良く話し合い、最善の方法が選択できるようあらかじめ心と身体、環境を整え、あらゆる可能性を想定して夫婦で話し合っておきましょう。
たとえ帝王切開を選択せざるを得なかったとしても、それは「お母さんが自分の命をかけて赤ちゃんを守った」ということに他ありません。胸を張り、自信を持ってくださいね。
ママが気になる帝王切開後の傷ですが、最近は、ニチバンのアトファインに代表されるように、簡単にケアできる専用のテープも発売されています。
皮膚のひっぱりや摩擦、紫外線などから傷を保護し、炎症やかゆみ、ひきつれを防いでくれるので、傷が閉じた直後から早めのケアをしておきましょう。
どんな出産であれ、元気な赤ちゃんが産まれますように、心から応援しています!
【参考・画像】
※ Jorge Casais、nata-lunata / Shutterstock
※ 帝王切開など外科手術後の傷あとに、専用ケアテープが登場!
【著者略歴】
※ 城所 眞紀子・・・社団法人 Newborn Family サポート協会代表理事/母子の心身の健康に関わる専門職がチームを組み、主に産前産後の自宅訪問によるサポート活動をおこなう。助産師・シングルマザー・2児の母。