アベノミクスは机上の空論!? 数字から考える「日本の人口」問題 (2/3ページ)
放っておくと数十年後には8,000万人台になってしまうため、政府は1億人を目標にしているわけですが、あまり現実的ではないわけです。
■構造をどう変えていくかが課題
団塊世代は退職後も元気で、退職金がある程度入ってきて、経済的にも余裕があるため、GDPには消費面で貢献していることになるといいます。
しかし著者が懸念しているのは、後10年も経つと、「もう旅行するのもしんどいな」という人たちが数多く出てくるであろうということだとか。
つまり今後、人口が格段に減っていくことは確実で、消費も減っていくため、GDPの伸びも期待できないことになるのです。
その一方、この先数十年にわたり、若い人たちの社会保険料負担と税負担が増えていきます。これも可処分所得が減るので、GDPの減少要因となります。
だからこそ、この構造をどう変えていくかが、現在の最大の課題だということです。
■アベノミクスは「机上の空論」
この課題の難しさは、「経済が安定しないと子どもが増えない」という点にあると著者は指摘します。ただでさえ子どもを産まない理由としては経済的理由が大きいのに、経済が安定しない現在、将来不安のなかで進んで子どもを産む人が増えるとは考えにくいわけです。
そうした状況下、「アベノミクスでGDPを600兆円に」などということは机上の空論だといわざるを得ない。著者はそう主張しています。
90年代初頭、すでに(合計特殊出生率)「1.55ショック」というものがあり、こうした事態になることはわかっていたそうです。そして、現在の合計特殊出生率は1.46。なのになぜ、抜本的な少子化対策がとられてこなかったのでしょうか?
この問いに対する答えは簡単。「票にならない」からだというのです。背に腹は変えられなくなったせいか、いまになって待機児童や保育所の問題が国会でも討議されるようになりました。
しかし合計特殊出生率が回復しつつあるヨーロッパでも筆頭の位置にいるフランスでは、保育、学費など、多くの育児、教育費が無償。