24年連続で増加中…!? 「児童虐待」が他人事でなくなっているリアルな理由
先日の北海道の置き去り騒動では、「しつけか、虐待か」という議論が巻き起こりました。そして、「男児無事救出」という奇跡的な結末に、日本中が安堵しました。
ですが、今回の事件を「助かったからOK」で済ませてよいのでしょうか?
子どものココロ専門の育児相談室『ポジカフェ』を主宰する筆者が、今回の騒動や他の虐待関連のニュースから、私たちが学ぶべきことについてお伝えします。
■増え続ける児童虐待、24年連続で増加に…!
連日、ニュースで報じられる児童虐待のニュース。耳にしない日はないのではと思うほど、頻繁です。
実際、厚生労働省が毎年まとめている、全国の児童虐待の件数の推移でもこの傾向は明らかで、調査を開始した平成2年度から、24年連続で増加を続けているのです。
平成26年度には、過去最高の8万件を超えましたが、この数字は、あくまで全国の児童相談所が対応した件数。
この数値には含まれていないケースも、数多くあると考えられます。
■児童虐待は対岸の火事なのか?
しかし、テレビや新聞での虐待のニュースを見ても、どこかで「自分には起こり得ない」と感じている方が多いのではないでしょうか。
でも実際に、日々、お母さま方からのご相談を受けている立場として感じるのは、決して“対岸の火事”ではないということです。
特に、一人目が生まれたばかりの頃は、分からないことばかり。
さらにその時期は「睡眠不足」や「ホルモンバランスの崩れ」などの悪条件も加わり、「現実から逃げたい」「もう限界だ」「可愛いと思えない」と感じたことがあるママはとても多いのです。
■「自分だけではない」ということを分かって!
子どもが欲しくて欲しくて生み、「虐待なんてとんでもない」と思っていたのに、いざ育児が始まると、怒涛のような日々に圧倒されてしまう……。
イライラして、思わず叩いてしまいそうになる、言葉で罵倒したくなる……。
そんな自分を「なぜ自分はダメな母親なのか」「なぜ自分だけが上手くやりくりできていないのか」と思い、自分を強く責めてしまうと、状況はさらに悪化してしまいます。
これまで我慢していた手が出てしまうことにもなりかねません。
ぜひ知っていただきたいのは、“あなただけではない”ということです。
あなただけができていないのではなく、どのママも、育児のどこかの過程では、エンドレスな鳴き声やどうにもならない育児に翻弄されているのです。
■虐待ストップに必要な「2つのこと」とは?
(1)思いをママ友や専門家に吐露する
もしわが子に手を上げそうになったら、その思いを他のママに吐露してほしいと思います。きっとその気持ちを理解してくれるママ友さんがいるはずです。ひとりではないのです。
しかし、まじめな方というのは、弱音を吐くのが苦手だったりします。“弱音=負け”のように感じてしまうからです。
どうしても、他のママたちに気持ちを吐けない場合は、プロに相談するのも手です。
育児の専門家であれば、話を聞いてくれるだけではなく、現状をどう改善していくかのプラス方向の対策も一緒に考えてくれます。
(2)「あきらめ」も時に大事
また、“虐待に至ってしまうか”、それとも“踏ん張れるか”は“あきらめ”がカギを握っていると思います。
子どもに対する要求が高くなると、当然ながら、思い通りにやってくれない子どもにイライラしたり、大声で叱ったりすることが増えてしまいます。
親は、ついわが子には大きな期待をかけてしまうものですが、残念ながら、親の思うようには運びません。その子にはその子の個性や感情があり、得手不得手があります。
「親の『こうすべき』『ああすべき』が通らないことが大半だ」という“あきらめ”こそ、ママの張りつめた気持ちをほどいてくれる緩和剤になってくれるのです。
いかがでしたか?
虐待は他人事ではありません。大事なのは、一人で思い詰めないことです。誰かに思いを聞いてもらうことで、必ずいい方向へ一歩進めます。
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※ altanaka、Tatyana Dzemileva、Lopolo / Shutterstock
【著者略歴】
※ 佐藤めぐみ・・・専門家ライター。育児相談室『ポジカフェ』主宰。最新心理学を用いた叱り方メソッド、やる気アップ法、育児ストレス診断などが専門。著書に『子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣』など。