プロ直伝! 海水浴やプールの後の「正しい」ヘアケア法
海やプールに入ったあとのパサパサ、ギシギシと傷む髪、ケアに困った経験がある人は多いのではないでしょうか。ヘアメイクサロン・MINT(ミント・東京都渋谷区)の美容師で、毛髪診断やヘアケアのアドバイスを専門的に行うヘアケアマイスターの磯部幸弘さんは、「海水、プールの水を消毒するための塩素、また、日光が髪の傷みの原因です」と言います。自分でできるケア法など、詳しいお話を聞いてみました。
■海水でキューティクルがはがれる。塩素で髪質が変わる―海水や塩素が髪にダメージを与えるとのことですが、これらが髪につくとどうなるのでしょうか。
磯部さん 髪の表面は、内側の水分とタンパク質を保護するために、キューティクルという成分で覆われています。
海水は、弱アルカリ性でキューティクルをはがしやすく、そうなると髪の内側の水分やタンパク質が流出します。塩素も付着するとキューティクルをはがしやすくし、また、色素を漂白する作用があります。
これらが原因で、髪が海水やプールの水につくと乾燥してツヤがなくなり、パサパサした手触りになる、脱色しやすくします。
―日光も髪を傷めるとのことですが、どのように影響するのでしょうか。
磯部さん 紫外線が肌の炎症やシミなどのダメージのもととなるように、髪にも悪影響を及ぼします。紫外線を浴びると、髪の成分であるタンパク質がダメージを受けるため、乾燥、強度の低下、表面のパサつき、色素やツヤがなくなる、枝毛や切れ毛などの傷みが現れます。
また、髪が酸化してシステイン酸というダメージの元となる物質が生成されます。髪が濡れた状態で紫外線を浴びると、このシステイン酸の生成スピードが速くなり、ダメージが深刻になります。
さらに、海やプールに入るときだけでなく、浜辺やプールサイドにいるとき、日陰でも帽子を被りましょう。顔や体の皮ふ同様に、紫外線があたると頭皮は日焼けの状態になり、毛根に十分な栄養が行きわたらなくなって、髪が細くなる、抜け毛や薄毛などが生じやすくなります。
―どちらも未然に防ぎたいものです。海やプールへ入る前に注意することはありますか。
磯部さん なるべく髪が水につかず、紫外線に触れる量が少なくなるように結びましょう。濡れたときはこまめにタオルで拭いて、濡れたまま放置しないでください。
さらに、髪用の日焼け止めスプレーや紫外線予防の洗い流さないトリートメントを塗りましょう。
■シャンプー前にトリートメントを塗る。ぬるま湯で2度洗髪する―完全に濡れないようにするのは難しいかもしれません。海やプールからあがった後には、どのようにケアをすればいいのでしょうか。
磯部さん すぐに、シャワーで付着した塩分や塩素、汚れなどを洗い流しましょう。髪全体を十分に流してから、シャンプーをします。このとき、傷んだ髪や頭皮に刺激を与えないよう、38度くらいのぬるま湯で、ツメを立てずに指の腹を使って普段よりもやさしく洗いましょう。
手のひらでシャンプーを泡立て、1度目は髪を、2度目は頭皮をもむように、シャンプーを2度してください。髪や頭皮への負担が少ないアミノ酸系のシャンプーを使うといいでしょう。
ダメージが強くて髪がからまるときは、そのままゴシゴシと洗うと髪が傷みやすいので、先にトリートメントを塗って洗い流し、まずは指の通りをよくしてから、シャンプーをしてください。
シャンプーの泡が残らないようによく洗い流してから水気を切り、ダメージヘア用のトリートメントを毛先から髪の中間あたりまでもみこむように塗ります。タオルかシャワーキャップで髪を包み、この間に体や顔を洗うなどし、約3分間放置して成分を浸透させてから、洗い流しましょう。
―洗髪以外に、手入れの方法はありますか。
磯部さん 髪を洗った後は濡れたままで放置せず、まずはタオルで髪をはさんで両手のひらでパンパンとたたくように水気をしっかりタオルに吸い取らせます。
次に、ドライヤーをする前後に保湿や補修成分が含まれている洗い流さないトリートメントを塗って、念入りにうるおいを補いましょう。
■まとめ海水やプールで髪を傷めないためには、まず、水につけないように束ねるなどし、日焼け止めスプレーや帽子で紫外線から髪を守りましょう。あがった後はすぐに洗い流して2度シャンプー、髪をしっかり乾かして洗い流さないトリートメントを塗るなど、予防とアフターケアが欠かせないということです。
(岩田なつき/ユンブル)
取材協力・監修:磯部幸弘氏。日本ヘアケアマイスター協会認定ヘアケアマイスター。美容師。ヘアメイクサロン「MINT」に勤務。 MINT 東京都渋谷区恵比寿南2-5-9 内藤ビル202 http://www.mint-tea.jp/