ドラマ「朝が来る」で話題!“特別養子縁組”は「実の親子関係」を断ち切るモノって本当…!?
特別養子縁組によって、子どもをもった家族と実の母親とのストーリーを描いた小説原作のドラマ『朝が来る』(土曜夜11時40分~放送)。
安田成美さんが、16年ぶりに連続ドラマの主演を務めることもあり注目されていますが「特別養子って何?」と疑問に思っている方も多いかもしれません。
また、7月にスタートするドラマ『はじめまして、愛しています。』も、同様に特別養子縁組がテーマになっているそう。
「本当の両親だと思っていたのに、実は自分は養子だった!」というのは小説やドラマによく出てくる設定ですが、なぜ、いま養子縁組がなぜドラマになるのか、ということも併せて“養子縁組制度”について簡単に解説していきます。
■「特別養子縁組」がドラマで取り上げられる理由は?
晩婚化が進んでいる現在、特別養子縁組によって親子関係を持つご両親(養親)は、不妊治療によってお子さんを授かることができなかったご夫婦であることも少なくないようです。
お子さんの虐待事件や児童相談所への相談件数増加の報道も、この頃よく目にするので、これらを題材とした小説やドラマにおいて“特別養子縁組制度”を取り上げるのは、前述のような社会的背景があるとも言えるかもしれません。
■特別養子縁組は「実の親子関係」を断ち切るもの!?
特別養子縁組は、下記の2点で普通の養子縁組と大きく異なります。
(1)虐待を受けた子や捨て子など、両親によるお子さんの監護が著しく困難または著しく不適当である等の事情があり、お子さんのために特に必要な場合にのみ養子とすることが認められる点
(2)実の両親との親族関係を断ち切り、相続や扶養義務が発生しない点
また、特別養子縁組が成立したときは、戸籍上も実の両親の戸籍から抜け、養親の実子と同様の記載がなされます。
もっとも、お子さんの実の両親を知る権利を確保するために、調べれば自分が特別養子であることがわかるようにはなっています。
特別養子縁組制度は、虐待を受けたお子さんを、孤児院に収容するだけでは、お子さんの福祉にとって十分でなく、また、普通の養子縁組では、実の両親がお子さんを取り返しに来ることを、必ずしも防止できないために設けられたものです。
運用上も、実の両親の気が変わっても“簡単には取り返しに来られない”ような配慮がされています。
■福岡県が「赤ちゃん縁組のマニュアル」配布
もともと、実の親がどうしてもお子さんを育てられない場合の赤ちゃんの養子縁組については、愛知県が1982年頃から先進的に取り組んでいましたが、最近では福岡県が赤ちゃん縁組のマニュアルを児童相談書に配布する等、全国でも珍しい取り組みを行っています。
「望まない妊娠をしたので中絶したい」、「子育てをする自信がない」と言う母親に対してはネガティブなイメージを持ちがちです。
しかし、様々な事情から子育てをできないのであれば、堕胎や育児放棄を行うよりも早期の段階から、児童相談所等に相談して特別養子縁組を行うことのほうが、生まれてくるお子さんの福祉にとっては望ましいといえます。
今までの日本の家族関係においては血縁が重視されてきましたが、お子さんの福祉を第一に考えたとき、特別養子縁組による新しい家族の形があるということがTVドラマなどで取り上げられるのは、筆者のような法律家にとっても、歓迎すべき傾向に思います。
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【著者略歴】
※ 木川 雅博・・・星野法律事務所(港区西新橋)パートナー弁護士。損害賠償・慰謝料請求、不動産の法律問題、子どもの事故、離婚・男女間のトラブル、墓地・お寺のトラブルその他、法人・個人を問わず様々な事件を扱っています。