急死した鳩山邦夫の”天才伝説”と舛添要一との隠れた因縁 (2/2ページ)
■愛すべき「バカ正直」
自民党に復党してからは、選挙区を変えたりしながらも法務大臣、総務大臣を歴任してきた。しかし我々の鳩山邦夫に対する印象の多くは、「何を言いだすか分らないヒト」では無かったか? それほど暴言、失言、不可解な発言、そして笑ってしまう発言が多かった。
・「日本国憲法はアメリカからの押し付け」
・「あのような人物(菅直人)を一国の総理にしてはいけない」
・「私の友人の友人がアルカイダなんですね」
・「(週刊文春に朝からフォアグラと天ぷらを食べると書かれて)朝から天ぷらは食べるがフォアグラは食べない」
・「私は清潔な白いハト。もう一羽のハトは私の兄だが、政治資金収支報告書がウソばかりだから黒いハト」
などなど。<正論>もあれば、爆笑してしまうものもある。一方では法務大臣として13人に死刑を執行(注4)。朝日新聞から「死神」と揶揄されたが、
「どんなにつらくても社会正義のためにやらざるを得ない。(略)そういう軽率な文章を平気で載せる(朝日新聞の)態度自身が世の中を悪くしていると思う」(鳩山邦夫)
と一蹴して見せた。
妻のエミリーさんは、『仮面ライダー』にも出演した元人気アイドル。趣味は蝶の収集と家庭菜園と料理。特に料理はプロ級の腕前で、よく秘書たちや取材陣にもふるまってくれた。
筆者も一度、鳩山邦夫と酒席を共にしたことがあるが、とにかく明るくキャラクターの立った人であった。ボンボン気質が抜けなかった点など問題も多いが、本音を糊塗しない「バカ正直」な政治家の冥福を祈りたい。
東大で競い合い、東京都知事選で闘い、元妻の高校の先輩だった鳩山邦夫が世を去り、それなりの評価を得ている。旧友、いや仇敵だった舛添要一も、惜しんでもらえる人間を目指すべきだろう。
(注1) 鳩山邦夫…以下、文中敬称略。
(注2) 早すぎる死…十二指腸潰瘍。近年、檄痩せで心配されていた。
(注3) 片山さつき…現・国会議員。元・舛添夫人。
(注4) 13人に死刑執行…1993年の執行再開後では、最多。あの幼女連続誘拐殺害事件の犯人にも執行した。
著者プロフィール

コンテンツプロデューサー
田中ねぃ
東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ