今年も蚊に注意! デング熱に似た病気を引き起こす「チクングニア熱」って?

夏の風物詩でもある「蚊」。かゆいだけでも相当迷惑な存在ですが、近年話題となったデング熱に似た病気を引き起こすのはご存じですか? 同じヒトスジシマカが媒介するチクングニア熱は、まったく別のウイルスが原因なのに、発熱や関節痛など症状が似ているため、検査をしない限りデング熱と識別できません。2011年には4類感染症に規定され、成田空港でも感染者が見つかっているので、今年も蚊に注意が必要です。■経路も症状も「デング熱」似
話題となったデング熱は342例の届け出があり、そのうち海外で感染したひとが日本に持ち込む輸入感染例は178例と発表されています。差し引き164例は国内で感染したことを意味し、つまりはウイルスを持った蚊が生息していたということになるので、今年は大丈夫! という保証はありません。その状況をさらに悪化させるのがチクングニア熱で、デング熱と同様にウイルスを持ったヒトスジシマカなどに刺されると感染します。2014年の国内での報告例は16、うち成田空港で検出された輸入感染例は3とデング熱に比べて件数は少ないが、2011年に4類感染症に「格上げ」されたほど警戒感が強まっている。海外ではチクングニア熱にかかるエリアが拡大し、日本に持ち込まれる可能性が高くなっているからです。
人から人にうつることはないのでインフルエンザのように爆発的に広まることはないでしょうが、やっかいなのはデング熱と見分けがつかないこと。デング/チクングニアはウイルスの名をあらわし、つまり原因は全然違うのですが、
・媒介 … 日本ではおもにヒトスジシマカ
・潜伏期間 … 通常3〜7日
・おもな症状 … 発熱、だるさ、関節痛など
と似たような経路で感染し、似たような症状を引き起こします。専門的な知識がない限り、見た感じや本人の訴求症状ではデングかチクングニアかの判定は難しいでしょう。しかも、どちらも特効薬はなく、鎮痛剤や解熱剤でしのぎ、自力で回復するのを待つしか道はない、ぜひともかかりたくない病気です。致死率は0.1%未満と低く、成人なら数日で回復しますが、小さい子どもや高齢者がいる家は、蚊対策を万全にしておいたほうがいいでしょう。
■屋外のバケツは要注意!
過去にデング熱が発生した場所は、今年も注意をおこたらないようにしましょう。ウイルスを持った幼虫が冬を越し、この夏もあらわれる可能性があるからです。
ヒトスジシマカの活動範囲は半径100mほどに限られているので、離れた場所に幼虫がひそんでいる可能性は低いです。そのためデング熱やチクングニア熱は広範囲に拡散しにくい病気ではありますが、逆にいえば今年も同じ場所(または周辺)で感染してもフシギではないのです。幼虫も含め、念入りに防除されているでしょうが、心配なひとはあえて行かないほうがいいでしょう。
これらの病気にかからないためには、どうすれば良いのでしょうか? 残念ながら予防接種もないので、「蚊に刺されないように」と月並みな話になってしまいます。せめてもといえば、家の周りに蚊が発生しやすい環境を作らないことが挙げられます。
日本でヒトスジシマカが活動できる目安は5月中旬〜10月下旬と長く、1週間から10日を幼虫、2〜3日をさなぎで過ごすので、2週間あれば次の世代が誕生します。蚊の幼虫はボウフラと呼ばれ、水なしでは生息できないので、
・植木鉢の受け皿
・庭に置いたバケツ
に水がたまると蚊が増える原因となる。ポリタンクやジョウロが屋外にあったら、雨水がたまらないよう伏せるかフタをしておきましょう。
かかってしまったかも? と思ったら、とにかく病院に行って検査してもらうのが一番。デング熱の検査は保険が適用され、3割負担のひとなら700円程度で済みます。チクングニア熱の場合、サリチル酸系の解熱/鎮痛剤を使うと出血する可能性があるので、まずは蚊にさされてから具合が悪くなった旨を伝え、デングかチクングニアかをはっきりさせ、医師の指導のもとに養生しましょう。
■まとめ
・デング熱と似た症状を起こす「チクングニア熱」
・輸入感染が増えると警戒感が高まっている
・デング熱の検査は保険が効くようになり、700円ぐらい(3割負担)で受けられる