本好きリビドー(111) (2/2ページ)
森林さんの体験人数は、撮影を含めると8000人にのぼるという。これだけの数の女性を相手にすると、男にとってセックスとは、性とは、単に「ヤリたい」という願望だけではなく、時に人を傷つけ、時に癒やされ、女性への愛情と性欲の狭間で気持ちが揺れ動く、本当に人間らしい行為の一つということに思い至る。
また、AVで見せる、いわゆる“絡み”とは仕事としての性行為であり、本来のセックスとは違うこと、本当に感じたとき、女は自然と涙をこぼすなど、セックスを職業としてきた男だからこそ語れる、性の真髄に触れることができるはずだ。
また、森原さんは、こうも言う。
「性に興味のない人は、人そのものに興味もない」
草食化が進み、女とセックスに興味を示さない若年層の男が増えているという。遊び相手はゲームやスマホ。機械が恋人や友人の代わりとなり、生身の“人”に関心の薄い男たちは、セックスの楽しさ、切なさに、自ら背を向けている。
反対にオヤジ世代こそ、こうした著書を読み、今後の性生活の道標としたいものである。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)