世界観が魅力! 読んでおきたいおすすめSF漫画10選

はるかに技術の進んだ未来。人々はどんな生活をしているのでしょうか? 現代では不可能なことを実現できる未来には、想像以上のドラマが繰り広げられています。素晴らしい出来事がある反面、未来だからこその恐さを体験できるのもSFの魅力です。今回はそんなSFの世界観にぐっと引き込まれるおすすめ漫画を厳選してご紹介します。
■「20世紀少年」
物語の舞台は、高度成長によって浮かれていた時代から一転して、経済が停滞し世界滅亡の雰囲気が漂い始めた1970年頃。そんな時代にあって、少年たちは地球滅亡をたくらむ悪の組織や、巨大ロボットが東京を襲い、破壊されて滅亡に向かう未来の世界を空想していました。そしてそんな悪に向かって戦うのはもちろん勧善懲悪の正義のヒーローとその仲間たち……、少年たちはそんなストーリーをスケッチブックに描き「よげんの書」という名前をつけます。しかし彼らも大人になるに連れてそんな子どもの空想の世界など忘れていくのでした。
それから27年後の1997年の未来。主人公のケンヂは、突然失踪してしまった姉の娘であるカンナを養いながらコンビニを営んでいました。平凡な毎日を過ごしていましたが最近次々と起こるお得意先一家の失踪事件や、幼馴染の死をきっかけに忘れかけていた記憶が少しずつ蘇ってきました。そしてついにさまざまな場所で起こっているおかしな現象が、幼い頃に空想したよげんの書のとおりに起こっていることに気がつくのでした……。
この作品は序盤から謎が謎を呼ぶ展開に、伏線をどのように回収していき、どのような展開が繰り広げられるのかワクワクしながら読むことができます。また70年代の万博など昭和なノスタルジックな雰囲気が作品とマッチしています。続々と謎が増えてくるので、一気に読みたい漫画です。
作者:浦沢直樹
出版社:小学館
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ
連載開始:1999年(20世紀少年)2007年(21世紀少年)
巻数:22巻(20世紀少年)2巻(21世紀少年)
■「ドラえもん」
物語の主人公はなにをやっても上手くできない小学生の野比のび太。お正月をのんびりと過ごしていると突然、机の引き出しが開いて、中からネコ型ロボットのドラえもんとのび太の孫の孫にあたるセワシが未来からやってきます。セワシが話すのび太の未来は、成人後も不運続きで就職もできない状況だったとか、就職できなかったから起業したけれど会社が倒産してしまったとか、借金が残って子孫たちが困っているなどさんざんな内容でした。セワシはそんなひどい未来を変えようと、ドラえもんをのび太の世話役に連れてきたと言うのです。
こうしてやってきたドラえもんとのび太は次第に深い友情をお互いに感じるようになっていきます。最初はドラえもんの道具に頼りきりだったのびたも、近所に住むしずかやスネ夫・ジャイアンらとの交流によって少しずつ成長していきます。
この作品は子どもから大人まで長きにわたり、愛され続けている作品です。漫画版ではブラックジョークやのび太が痛い目を見るなど、アニメ版だけでは語られないエピソードが盛り沢山となっています。また「帰ってきたドラえもん」など現代の大人が見てもいつの間にか泣いてしまうエピソードもあります。
作者:藤子・F・不二雄
出版社:小学館
掲載誌:コロコロコミック、てれびくんなど
連載開始:1969年
巻数:全45巻(てんとう虫コミックスの短編)
■「GANTZ」
ある日のこと。玄野計は地下鉄のホームで加藤勝を見かけました。加藤は玄野の小学校時代の親友でした。加藤は正義感の強い人物で、そのとき線路に落ちた酔っ払いを助けようとしました。しかし同時に助けに入った玄野と一緒に電車に轢かれ死亡してしまったのです。
死んだはずの彼らは、次の瞬間なぜかとあるマンションの一室にいました。彼らの周囲には同じようにして死んだ人々がたくさん集合していたのです。そして、部屋の中央には謎の大きな黒い球が存在していました。死んだ人々はこの黒い球に命令をされ、別の場所へと転送されていきます。この謎の球の名前は「ガンツ」。死んだ人々はこのガンツの命令で、謎の星人と戦いに行かされていたのでした。玄野は訳もわからないまま彼らと同じように星人の戦いを命じられ、その戦いを生き延びながらガンツの世界を理解していきますが.…..。
2000年代SF漫画の金字塔である作品です。死んだと思ったら、どこかわからない個室に
転送させられて、生き返った代わりに、宇宙人、異星人と戦わねばならないというストーリーはとても緊張感があります。この理不尽な戦いはなぜ起こるのか、読み続けていくたび謎が深まる作品です。
作者:奥浩哉
出版社:集英社
掲載誌:週刊ヤングジャンプ
連載開始:2000年7月
巻数:全37巻
■「新世紀エヴァンゲリオン」
物語の舞台となっているのは、西暦2000年に起きた大災害によって世界人口の半分が失われてしまった世界。それから15年後、主人公である14歳の碇シンジは、別居していた父碇ゲンドウの命令で、突然第三新東京市に呼び出されることになります。ゲンドウの命令の内容は巨大な人型兵器として開発されたエヴァンゲリオン(EVA)初号機を操縦して第三新東京市を襲いにやってくる謎の敵・使徒と戦うことだったのです。
命令を受けた当初はEVA零号機を操縦していた綾波レイの負傷を目撃したため、シンジは仕方なく命令を実行していました。しかし敵である使徒との戦いや、さまざまな仲間たちとの出会いにより、次第に自らの意思で彼は戦うようになっていきます。彼は次々に襲い掛かってくる使徒を打ち破り実力をつけていきます。
この作品は90年代を代表するアニメ新世紀エヴァンゲリオンのコミカライズ版となります。前半はアニメと同様に展開が進みますが、エヴァ3号機との闘いの結末や最終話の展開など所々変更がなされている作品です。アニメ版では描かれていないシーンもコミカライズ版で描かれているので、エヴァファンは見比べてみると、再度エヴァの世界にのめりこめるでしょう。
原作:GAINAX・カラー
作画: 貞本義行
出版社:角川書店
掲載誌:月刊少年エース → ヤングエース
連載開始:1994年12月
巻数: 全14巻
■「AKIRA」
物語の舞台は、2019年。新首都「ネオ東京」の建設によりその栄華を極めていた一方、反政府デモ隊と警察が衝突し、反政府ゲリラと軍部がぶつかりあう不穏な情勢が続いていました。そんな中、いまなお再建されず放置された旧市街でも2020年の東京オリンピック開催をきっかけに再開発工事が進められていました。
主人公の訓練校生である金田正太郎は、暴走族の少年を率いてネオ東京から旧市街へと続くハイウェイを疾走している最中に白髪の少年と遭遇します。この白髪の少年は軍の超能力研究機関から反政府ゲリラによって連れ出されてきた超能力者のタカシ(26号)でした。暴走族のメンバーの一人である島鉄雄は、突如現れたタカシを避けきることができずに衝突し重傷を負ってしまいます。その後、鉄雄はタカシと一緒に軍の研究機関に連れ去られ入院しますが、そのときに事故がきっかけで鉄雄に超能力が目覚め始めたことが発見されます。そして退院後に金田のもとに戻ってきた鉄雄は、かつてのおとなしく気の弱い少年から凶暴なまでの性格にすっかり変わり果てていたのでした...。
この作品は近未来SFとしての出発点であり、世界観がとてもすばらしい作品となっています。日本国内だけでなく、海外の映画監督、スティーブンスピルバーグ、パシフィックリムのギレルモ監督も絶賛し、影響を受けていると言われています。世界の偉大な監督に絶賛される「AKIRA」、読んでみてはいかがでしょうか。
作者:大友克洋
出版社:講談社
掲載誌:週刊ヤングマガジン
連載開始:1982年
巻数:全6巻
■「それでも町は廻っている」
物語の主人公は嵐山歩鳥。彼女は商店街の喫茶店シーサイドでウェイトレスとしてアルバイトをしている女子高生です。ある日のこと、喫茶店シーサイドのマスターが、さらに店の売り上げを上げるために秘策を思いつきます。その秘策とは、最近話題になっているメイド喫茶に今のシーサイドをリニューアルすることでした。しかしシーサイド関係者がみんなメイド喫茶についてくわしくなかったため、シーサイドはウェイトレスがメイド服を着てサービスするといった形で再スタートしたのでした。
歩鳥には、メイドカフェに憧れを持つ同級生がいました。彼女の名前は辰野トシ子。ある日トシ子は、シーサイドに見学に訪れますが自分の理想とまったく異なるシーサイドに唖然。思わずメイドカフェとはどうあるべきなのか説教を始めてしまいました。そんなトシ子の様子が気に入ったシーサイドのマスターウキは彼女をウェイトレスとしてスカウトします。トシ子は当初卓球部に入るつもりだったのでウェイトレスの話は断るつもりでした。ところがトシ子が好意を寄せていた真田広章がシーサイドの常連客であることを偶然知ります。こうして彼女はシーサイドのウェイトレスとして働くことにしたのでした。
この作品は最初読んだ際は、下町商店街の日常をコミカルに描いたギャグ漫画かと思いきや、ミステリーに絡めたSF要素のあるストーリーなどがあり、爆笑はしないが、クスッと笑えるのが特徴の作品です。時系列がバラバラになっており、いつの間にか歩鳥が髪を切っていたりするので、時系列をまとめて読むとさらに楽しめます。
作者:石黒正数
出版社:少年画報社
掲載誌:ヤングキングアワーズ
連載開始:2005年5月
巻数:14巻(以下続刊)
■「ルサンチマン」
物語の舞台は、2015年の東京。主人公の坂本拓郎は、ウオト印刷という零細印刷所で働いていました。彼は独身で、デブ、ハゲ進行気味で冴えない人生を送っていました。彼の唯一の楽しみはボーナス後のソープという素人童貞でした。
ところが彼は30歳の誕生に友人3人と飲みに出かけ、自分より冴えないと思っていた越後大作にどうしようもないくらい女に持てるので仕事まで辞めてしまったという自慢話を聞かされます。しかしよく聞くと、その彼女というのはギャルゲーの女性のことでした。拓郎はあきれ果てたものの、大作のアパートで試しにやらせてもらったギャルゲーは拓郎の想像をはるかに上回る現実感あふれたゲームで……。
大作のことを完全な現実逃避だとあきれながらも興味をもった拓郎は、ギャルゲーを自分も楽しもうと、貯金をはたいてパソコン一式を購入しました。そして仮想現実の世界を楽しむためには、さらに恋人の人格AIをプログラミングしたソフトを購入する必要がありました。AIソフト売り場をうろうろしながら、やがて拓郎は1本のソフトを見つけます。それはTUKIKO(月子)という名前のソフトでした。そのソフトを購入した拓郎は、さっそく家に持ち帰ってプレイしてみることにしました。ところが、プレイしていくうちにそのソフトが普通のAIソフトとはまったく異なることに気がつきます。
この作品はマトリックスのような仮想世界を体現していて、そこから始まる謎解きはSFとミステリを掛け合わせているので飽きずに読破することができます。仮想世界と現実世界のはざまで悩んでいる人は読んでみてはいかがでしょうか。
作者:花沢健吾
出版社:小学館
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ
連載開始:2004年
巻数:全4巻
■「寄生獣」
物語の主人公は、平凡な高校生の泉新一。彼はある日、一匹のパラサイトに襲撃される事態に陥りました。パラサイトは空から飛来し人間の鼻腔や耳の穴から人間の頭に侵入する恐ろしい生物です。彼らは人間の脳を含めた頭部全部と置き換わるようにして寄生し、人間の全身を支配してしまいます。さらに超人的な戦闘能力を持ち、寄生されたら他の人間を捕食するようになってしまうのでした。寄生された頭部はもはや人間のものではありませんが、人間そっくりに擬態して変形するため、一見しただけではその人物が寄生されたかどうかは判断できません。
新一の場合、幸運なことに襲撃されたとき、脳への乗っ取りを免れることができました。しかしパラサイトは新一の右腕に寄生して同化してしまいました。そのパラサイトは真一の右手にちなんで「ミギー」と名乗るようになります。こうして新一とミギーとの奇妙な共同生活が始まったのでした。
新一がパラサイトに襲撃されたのと同時期に、他のパラサイトによる殺人事件が世界中で頻発しますが、犯人は見つかっていませんでした。新一は世間に対して自分がパラサイトされている事実を公表しなくていいかどうか悩みますが、ミギーが自己保身のみを考えていたため、もし新一がパラサイトされている事実を公表すれば新一に危害を加えることもいとわないと脅され...…。
この作品は生命とは何か、人間の定義とは何かを読者に語り掛ける内容となっています。主人公の真一は元々人間なので、宇宙人と人間の定義に悩まされますが、次第に宇宙人との共生の道を選んで成長するシーンに「人間とはなんなのだろうか」と考えさせられる作品です。
作者:岩明均
出版社:講談社
掲載誌:モーニングオープン増刊
連載開始:1988年
巻数:全10巻
■「銃夢」
物語の舞台ははるか未来。幾多ものパイプラインによって天上でつなぎとめられている空中都市ザレムです。このザレムの真下には、ザレムの下部より吐き出された大量の廃棄物がばら撒かれていました。そしてこの廃棄物を再利用して生きる人々が、この廃棄物周辺にクズ鉄町を形成していたのです。この物語はこの絶望的に荒廃したクズ鉄町から始まるのです。この町の住民たちは、ザレムから吐き出されるゴミやスクラップを再生利用して、独特の工業文化を形作っていました。このクズ鉄町には、苛酷な環境によって進化を遂げた極めて高度な技術が発達していて、人体をサイボーグに改造することが常識となっていたのです。
ある日のこと。クズ鉄町でサイボーグの専門医をしていたイド・ダイスケは、スクラップの中から奇跡的に脳髄が健康な状態で残されている少女形のサイボーグの上半身を発見しました。彼女の体は頭部と胸部のみでしたが、イドの治療により意識を取り戻すことに成功します。しかしあまりにも長い間休眠状態にあったため彼女は過去の記憶のすべてを忘れ去っていました。自分の名前も思い出すことのできない彼女のために、イドはかつて飼っていた猫のガリィという名前をつけ一緒に暮らし始めるのですが..….。
この作品はサイボーグ化された女性の物語です。多くの人が体の一部を機械化している部分は攻殻機動隊を彷彿とさせてくれるので、とてもワクワクします。独特な世界観や文化が確立しており、読者を飽きさせない工夫が施されています。近未来的なSF好きはハマること間違いなしです。
作者:木城ゆきと
出版社:集英社
掲載誌:ビジネスジャンプ
連載開始:1990年
巻数: 全9巻
■「預言者ピッピ」
預言者ピッピは自信を予知する目的で開発された人間型のスーパーコンピューターでした。ピッピは人間の子供であるタミオと一緒に成長しながら次第に地震の予知精度を上げていきます。そしてついに世界中の情報を収集して分析することによって、数ヶ月以内の大地震を予知できるようになっていきます。マグニチュード7以上にも及ぶ大地震をピッピが予知し地震の発生予定地域に連絡することで、地震による死傷者の数をゼロにしたこともありました。地震による被害を回避できたことに喜ぶ人々。ヒッピの優れた能力を誇りに思う研究員たち。一見すべてがいい方向に転がっていくかのような錯覚まで感じられる状況だったのです。外れることの無いピッピの予言に、当初は半信半疑だった人々も次第にピッピーに絶大な信頼を感じるようになっていくのでした。
ところが、ある日のこと。ピッピの目の前でタミオは交通事故にあって死亡してしまいました。タミオの死亡の瞬間からピッピは自分の意思で活動を停止し、これまでに集めて分析した情報を再計算し始めました。そして再びピッピが目を覚ましたとき、ピッピの中にはあるものが存在していたのです...…。
この作品はマザーコンピュータにより、未来が完璧にわかってしまったら世界はどうなってしまうのか?と先が楽しみになる作品です。人間の倫理観や価値観の対立は現代の人にも通じる部分もあり考えさせられます。
作者:地下沢中也
出版社:イースト・プレス
巻数: 既刊2巻
いかがでしたか? 読んでみたい漫画は見つかりましたか? 時代が進むことによって、人類がどのように進化していくのか……その過程を読むことができるのもSFの漫画ならではの魅力です。さて、今日からタイムマシーンに乗ったつもりで未来の世界観に浸って存分に楽しんできてください。