金正恩氏の露骨な「軍イジメ」…北朝鮮の先軍政治に異変 (2/2ページ)

写真左から金英哲(キム・ヨンチョル)、呉秀容(オ・スヨン)、金平海(キム・ピョンヘ)、金己男(キム・ギナム)、崔龍海(チェ・リョンヘ)、金正恩(キム・ジョンウン)、崔泰福(チェ・テボク)、李スヨン、李萬建(リ・マンゴン)、郭範基(カク・ポムギ)の各氏
この中で軍出身者は金英哲氏だけだ。つい先日、筆者は本欄で「人民武力部」が「人民武力省」に改称され、事実上の格下げを指摘していが、こんなところにも、朝鮮人民軍の威信低下が示されていたのだ。
日本のメディアでは、北朝鮮が不可解な軍事行動に出る度に「軍部の暴走」や「軍部のクーデター」などとフィクション紛いの説が唱えられるが、ここ数年の間に軍幹部に対する粛正・処刑や、統制が強まっているのである。これは、1990年代に起きた血の粛清事件以来のことだ。
では、金正恩氏が軍事優先から脱却しようとしていると見ることもできない。むしろ、金正恩氏を絶対的頂点とした軍政がほぼ完成していると見るべきだろう。すなわち、今後、北朝鮮がなんらかの軍事的暴走に出たとするなら、それは軍の暴走ではなく「金正恩氏の暴走」なのだ。