本好きリビドー(112) (2/2ページ)
『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス/925円+税)は、大学を中退した後、スーパーでバイトし続けるものの、摂食障害などが原因で自分の居場所が見つからず、「何かを変えたい」と選んだのが、レズ風俗で人肌に触れることだったという、何とも不思議な物語。
なぜレズ風俗かというと、著者の永田カビさんは男性経験がない。つまり処女だから。また、男が相手をする女性向け風俗もあるにはあるが、それには抵抗を感じる。でも、女同士なら…というわけ。
描かれるシーンに、官能的な描写は少ない。だが、♀×♀にしか分からない会話のやりとり、癒やし、切なさなどが丁寧につづられている。現代の女性たちが何に悩み、何を求めてさまよっているのか、理解できないまでも、その端緒に触れることができるだろう。
読み終わって、何かを探したいが見つからない、そんな女たちの心情を、男はつかむことすら、できないでいることに気付く。
この漫画を、現代の女性が挑んだ突飛なチャレンジ、と受け取るのはたやすい。だが、永田さんだけではない、すべての女性に共通する悩みが根底に潜んでいるのではないか…そんな思いに至ることが、できるかもしれない。
Pixiv(イラストの投稿・閲覧が楽しめるSNS)で話題となった漫画の書籍化。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)