売上10万円以上は0.5%!ハンドメイド作家生活の理想と現実
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マネー
ただいま、空前のハンドメイドブーム!
ハンドメイド作品の展示・販売イベント『ヨコハマハンドメイドマルシェ』には、約26,000人が集まりました。初めて開催された2013年とくらべ、ハンドメイド作家の参加数も2倍以上。ハンドメイド作家として、自分の好きなこと・得意なことが活かせるって素敵ですよね。
ハンドメイドマーケットの最大手『minne』を運営するGMOペパボ株式会社のプレスリリースによると、10万円以上の売上げのある作家が約1,200人いるとのこと。
でも、登録作家数は約25万人。つまり、10万円以上稼げている作家は0.48%なんです。ハンドメイド作家として生活するのは厳しい世界? それとも、チャンスでしょうか。
ハンドメイドに関わる方々に、お話を伺いました。
■現役ハンドメイド作家が明かす様々な苦労
まずは、ハンドメイド歴10年になるkouさん。最近『minne』などのハンドメイドマーケットを利用して、レジンアクセサリーの販売をはじめました。
「1ヶ月あたり30から50件ぐらいの注文があります。はじめるのにかかった機材や材料費分(約20,000円)は、カバーできたかなと思います。コメントをいただいたときや、お気に入りにされたときはうれしいです」
「また、作品を見ていただく機会を増やしたいと、下北沢のレンタルショーケース『素今歩(すこんぶ)』にも出品しはじめました。ひとりでつくっているので、発送も宣伝も全部やらなくてはいけません。大変ですが、ハンドメイド作家として、もっと成長したいです」
初めての方向けには、簡単なハンドメイド作品をつくるキットも販売されていますし、ワークショップも行われています。
「オリジナルの作品をつくれるようになる」がハンドメイド作家としての第一歩です。
続いては、『minneのアトリエ 世田谷』の作家活動アドバイザー 和田真歩さんにお話を伺いました。人気作家として活躍するには、どうしたらよいのでしょうか?
■人気ハンドメイド作家が心がけていること
「最近テレビや雑誌でハンドメイドが取り上げられる機会が増えましたが、流行っているからという気持ちで始めても、売れません」
ご自身も物づくりの経験がある和田さん。つくり手の視点で作家へアドバイスをしています。ひとつも売れないと悩み、相談されることもあるそうです。
「人気作家さんは試行錯誤し、試作を繰り返して制作しています。作品が完成したら、SNSを使って、作品情報を発信することも大切ですね」とのこと。
とはいえ、販売するだけがハンドメイドの魅力ではありません。なかには、ハンドメイドで人生が変わった人も……。
「minneハンドメイド大賞2016で篠原ともえ賞を受賞したMOLA yasuyoさんは70代。ずっと刺繍を趣味にされていたのですが、ハンドメイド大賞に応募したことをきっかけで、多くの方と知り合えるきっかけになったそうです」(和田さん)。
同じ趣味を持った人と出会えるのも楽しいですよね。
■成功したいなら流行に振り回されちゃダメ
海外では、「自分がつくった作品を売りたい!」という意志の強い作家さんが多いのですが、日本では控えめな方が多いそう。
和田さんは「もっと作品を広めたい」、「ハンドメイド作家としてがんばりたい」という方の背中を押したいそうです。
流行のデザインは人気が高いのですが、移り変わりも早く、同じ作品をずっとはつくれません。対して、自分の作品をじっくりと作る方法もあります。
「作品を自分のブランドとして考えることが大切です。自分の好きな物を追求して、手に取っていただけること、さらにファンになっていただけることを想像してみてください。ハンドメイドのよさは、個性や想い入れが作品に反映した、唯一無二のものであることだと思います」(和田さん)。
一過性のブームではなく、長くハンドメイドという文化を支えていきたいという気持ちを感じました。
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ハンドメイド作家として生活するには、やはり努力が必要です。ワークショップの講師や本の出版と活躍の場は広がっており、自分がどうありたいのか具体的に考えることも求められます。
しかし、いちばん大切なのはハンドメイドを好きだという気持ち。ずっと続けられる好きなことがあるって、幸せなことですよね。
(文/マチコマキ)
【取材協力】
※kou・・・ハンドメイド作家。ギャラリー「hellheaven’S GALLERY」。
【参考】
※国内最大のハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」 登録作家数20万人突破! ~“ハンドメイド作家”という新たな働き方を支援~-GMOペパボ株式会社