アベノミクス“ギアセカンド”発動で年金運用大損失10兆円は取り返せるか (2/2ページ)
つまり、運用収入が十分でないと年金財政が赤字となり、将来に備える資産が減ることになってしまいます。それを維持するには、投資で実質利回り1.7%前後を稼げないと年金財政は破綻するといわれている。株式などでコンスタントに利益を確保するのは、並大抵ではありません」(国際金融アナリスト)
そんな中、民進党は『年金運用5兆円損失追及チーム』なるものを立ち上げた。だが、年金運用は本来、国民年金法、厚生年金保険法ともに「長期的な観点から、安全かつ効率的に行うこと」と定められており、何でもかんでも追及チームを作ればいいというものではないだろう。安倍首相の言うように「年金運用は単年度の損益で一喜一憂するという類いのものではない」が大前提だ。金融系シンクタンク関係者が言う。
「民進党は参院選で勝ちたいがために、'07年第1次安倍内閣に大ダメージを与えた“消えた年金5000万件問題”の再来を望んだのでしょう。ところが、国民も安倍政権も過去の失敗で学習済みなので、簡単に5兆円であたふたしません。今回の参院選にはまったく影響なしで『追及チーム』がどうにも空回りしている。相当恥ずかしい事態です」
しかし、安倍政権も上から目線で威張れるような話ではない。証券アナリストが喝破する。
「安倍政権の3年間で37.8兆円の収益があったのは事実ですが、ほぼ'13年と'14年の2年間でのもの。つまりは、株式投資比率を大幅にアップさせる以前のポートフォリオが稼いだものです。運用を株重視方式に変えた途端に5兆円の損失が出たのも、また事実です」
しかも世界経済は今後、株式が高くなるのか、下落するのか混沌としている。
「英国のEU離脱騒動、中国経済のたそがれ…。年金財政を維持する利ザヤをコンスタントにつなげるのは至難の業です。ということは日本の年金制度はすでに破綻状態。若い人は年金依存ではなく、老後はある程度自力でカバーしなければ生きていけません」(ファイナンシャルプランナー)
与野党どちらの主張が正しいのかはともかく、国は金を稼がないとますます年金資金は苦しくなるばかり。やはりここは一発ギャンブルに打って出る方がマシなのではないか…という気がしてくる。暴論のようでも「5兆損したら6兆! 10兆損したら11兆取り返す!」といった意気込みの政権を支持したいものだ。