金正恩氏がキリスト教を弾圧する理由…「十字架」に隠された秘密 (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

接しただけで拷問も

韓国のNGO、北朝鮮人権情報センターが脱北者1万183人を対象に調査を行ったところ、1.2%にあたる128人が北朝鮮で宗教に接触した経験があると答えている。また、聖書を見たことがあると答えた人も4.2%、428人にのぼった。未確認の数字だが、北朝鮮国内には、1200もの地下教会があると言われている。

これだけでなく、北朝鮮がキリスト教に対して、過酷な弾圧を加えるには、もう一つの隠された理由があると筆者は見る。

実は、金日成氏自身が、クリスチャンの家庭に育ったという事実がそれだ。

彼の母親である康盤石(カン・バンソク)氏の名前は、新約聖書に出てくる「使徒ペテロ」にちなんでいる。さらに、金日成氏が教会に通っていたことは、彼の回顧録でも述べられている。

分断される以前の北朝鮮は、韓国よりキリスト教が盛んであり、平壌(ピョンヤン)は「東洋のエルサレム」と呼ばれていたほどだった。彼の父親が通っていた学校も、キリスト教系の学校だった。金日成氏自身も、キリスト教の影響を強く受けていたとの証言もある。

北朝鮮は、社会主義国家と謳っているが、内実は金日成氏を始祖とする王朝国家であり、さらに、主体(チュチェ)思想を国教とする宗教国家の色合いが濃い。だからこそ、キリスト教に対して敵意をむき出しにするのかもしれないが、そのルーツにキリスト教が深く関わっていたとするなら、なんとも皮肉な話だ。

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