【高校野球】78球で完全試合も?少ない球数でも輝いた伝説の投手たち (2/2ページ)

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■「甲子園で優勝するためには、という逆算から出た考え方」

 少ない球数で勝つ。それはもちろん理想ではあるが、そう簡単に狙ってできないのもまた事実だ。近年では、桐光学園時代の松井裕樹(現・楽天)が「奪三振マシン」から打たせて取るピッチングへとモデルチェンジを目指し、結果として最後の夏に調子を崩してしまった事例もある。

 打たせて取るピッチングで天下を穫った男、といえば、やはりPL学園時代の桑田真澄(元・巨人ほか)が思い浮かぶ。桑田はあるインタビューで、「いかにして少ない球で抑えるか」というテーマでこんなコメントを残している。

《僕は低めだけでなく、調子がいいときは、高めのストライクゾーンに投げてフライを打たせたり、カーブをど真ん中に投げて簡単にカウントを稼いだりしていました。ほかには投球プレートを一塁側や三塁側と踏み分け、変化をつけて投げていました。真っすぐも3段階の速さを使っていました。すべて甲子園で優勝するためには、という逆算から出た考え方でした》

(『甲子園ヒーロー列伝』より抜粋)

 実際、この投球スタイルで、「82球完封」(1985年センバツ・天理戦)という省エネ試合の経験があるのだから説得力があるというもの。「甲子園で優勝するためには、という逆算から出た考え方」が実践できたからこそ、甲子園20勝投手になれたわけだ。

 横浜・松坂大輔の延長17回250球完投勝利。早稲田実業・斎藤佑樹の1大会(7試合)948球。済美・安樂智大のセンバツ5試合772球……甲子園の歴史を紡いできた伝説の鉄腕たち。それもまた高校野球の魅力を語る上では欠かせないドラマだ。

 だが、そろそろ違うドラマを求めたっていい。今年の夏は、少ない球数でチームに勝利を導いたエースにこそ、大きな賛辞をおくってみたい。

文=オグマナオト

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