トイレに乳児…赤ちゃん遺棄事件なぜ続くのか?日本が抱える「子育ての闇」とは (2/2ページ)
■「乳児遺棄は犯罪」となる
乳児を遺棄した場合は保護責任者遺棄罪に当たります。
もっとも、上記のように誰にも相談できないまま産むしかなくなった女性が、いざ破水したときに「トイレで産んだら保護責任者遺棄罪になるから病院に行かなきゃ。」と思うわけはないでしょう。
実際に逮捕されたケースの中には、厳しい刑事処分が相当なものもあるとは思いますが、事案によっては不起訴や酌量減刑が相当な場合も少なくないかもしれません。
■日本の「子育ての闇」とは?娘が20歳くらいまでは「彼氏なんてまだ早い。ましてや性行為なんて早すぎる。」と言っていた両親が、30歳くらいになると「まだ結婚しないのか?早く孫の顔が見たい。」と言いだすことはよくあると思います。
また、中学校や高校でも性教育は行うものの、「望まない妊娠は避けるべきだけどもし困ったらここに相談しなさい」というような指導はなされていないと思います。
私は、これをすごく不思議に思いますし、このような日本における若年者の性行為をタブー視する価値観や性教育の不十分さがあり、子どもが妊娠や子育てに関する知識の乏しいまま、成長してしまうことも原因の一つかもしれません。
乳児の遺棄事件は、教育・福祉・行政・社会学・倫理等様々な角度から検討すべき難しい問題ですが、少なくとも赤ちゃんを遺棄するなんて許せないと批判するだけでは解決しないことは確かでしょう。
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【著者略歴】
※ 木川 雅博・・・星野法律事務所(港区西新橋)パートナー弁護士。損害賠償・慰謝料請求、不動産の法律問題、子どもの事故、離婚・男女間のトラブル、墓地・お寺のトラブルその他、法人・個人を問わず様々な事件を扱っています。