金正恩氏にも治安機関の「拷問と暴行」を止めることが出来ない (2/2ページ)
別の情報筋によると、普天(ポチョン)郡保安署の署長の息子で、麻薬取締を担当する627国境監察課のリ・スンヒョク室長も、キム・チョルに負けず劣らずの悪徳警官だ。
実績を上げて上役の覚えをよくするためなら、他人の人生を台無しにすることなど、何とも思っていない。教化所から出所したばかりの人に、でっち上げた「脱北未遂事件」の罪をなすりつけ、逮捕するほどの悪徳ぶりだ。
あまりにもひどいやり方に、住民の間からは激しい怒りの声があがり、その怒りは保安署を含めた司法機関全体に向けられている。しかし、治安機関に人権を侵害されたとしても、救済措置のシステムすら存在せず、怒りのやり場を失った住民が、保安員に対して報復に出るケースも続出している。
北朝鮮当局の「暴力を自粛せよ」という指示の背景には、国際社会の圧力だけでなく、治安機関の度を超した暴力が、様々な問題を引き起こしていることがあるようだ。しかし、RFAの内部情報筋は「そんな指示を保安員が守るわけがない」と不信感を露わにしているという。
そもそも、北朝鮮は暴力による住民統制で、体制を維持してきた。金正恩氏が独裁体制を維持するためには、多かれ少なかれ治安機関の暴力は不可欠だ。国際社会の警告に気を遣っているふりは出来ても、金正恩氏に暴力的な治安システムを根本的に変えることは不可能だろう。