江口洋介の新ドラマ「はじめまして、愛しています。」で話題!“ネグレクト”の実態と発見した時の対処法
“特別養子縁組”を題材にした江口洋介さん主演のテレビ朝日系ドラマ「はじめまして、愛しています。」第1話では、主人公夫妻の家を訪れた男の子に“ネグレクト”の疑いがあり、夫妻がその男の子を特別養子縁組で迎え入れようとする場面が描かれていました。
特別養子縁組については安田成美さん主演のドラマ「朝が来る」でも取り上げられるなど、話題となっていますね。
今回は、「はじめまして、愛しています。」で取り上げられた“ネグレクト”とは何なのか?
虐待と何が違うの? という点や、“ネグレクト”されている子どもを見つけたらどうしたらいいのか、という点について解説したいと思います。
■「ネグレクト」は立派な虐待!具体的なケース7つネグレクトを日本語にすると“育児放棄”であり、ネグレクトは厚生労働省が分類する虐待の類型の1つです。
具体的には、
・子どもの意思に反して登園、登校させない
・病気になっても病院に連れていかない
・予防接種を受けさせない
・乳幼児を車中に放置する
・食事を与えない
・子どもを不潔なままにさせておく
・同居人が上記のような行為を行っているにもかかわらず見て見ぬふりをする
などがネグレクトに当たります。要するに、「親として通常要求される育児行為を行わないこと」がネグレクトに当たると考えてよいでしょう。
ネグレクトは暴力などの身体的虐待と同じく立派な児童虐待であり、“刑事罰や親権停止・喪失”の対象となります。
とくに、夫(内縁の夫や他の親族も含む。以下同じ。)が子どもを虐待しているのを知っていた場合、妻は夫が怖くて注意しづらかったという状況があったとしても、“保護責任者遺棄罪”の共犯となってしまう可能性があることに注意が必要です。
■「ネグレクト」の疑いのある子どもを発見したら189(いち早く)電話を
ひどく不潔だったりやせ細ったりした子どもを見かけたときは、すぐに最寄りの市区町村の児童相談所、または福祉事務所に相談をすることが大事です。
通常、親からの虐待は日常化していることが多いですし、家庭内などの人目に付かない場所で行われています。ですから、「虐待かも? でも、もう少し様子を見ようかな……」と迷っているとその後の様子を確かめる機会がないまま“最悪の事態”を招きかねません。
また実は、法律上、虐待を受けたと思われる子どもを発見したときは「児童相談所または福祉事務所に通告しなければならない」という規定があります。
“通告”というと大げさに思えますが、全国の児童相談所の共通ダイヤルである「189(いち早くの語呂合わせ)」に電話を1本かければよいということです。
また、電話は匿名で架けることができ、相談内容の秘密も守られます。
「子どもが夫から虐待を受けているけれど、夫が怖くて注意できない。」という上記の妻のような場合でも、具体的な状況に応じてどう対応したらよいかを教えてくれますし、もちろん夫には秘密で相談することができます。
ドラマのように“ネグレクト”を受けている子どもと特別養子縁組を結ぶことまでは求められませんし、児童相談所に電話をしてもトラブルに巻き込まれることはありません。
小さな命を守るため、児童虐待が疑われる子どもを発見したら、いち早く(189)専門家に相談するようお願いします。
【参考・画像】
※ はじめまして、愛しています。 – テレビ朝日
※ Lopolo、pathdoc / Shutterstock
【著者略歴】
※ 木川 雅博・・・星野法律事務所(港区西新橋)パートナー弁護士。損害賠償・慰謝料請求、不動産の法律問題、子どもの事故、離婚・男女間のトラブル、墓地・お寺のトラブルその他、法人・個人を問わず様々な事件を扱っています。