田中角栄 日本が酔いしれた親分力(18)構想が及ぼした意外な余波 (2/2ページ)
ただし、石油危機にぶつかり、昭和47年から48年の金融緩和、財政拡大などが通貨の増加(過剰流動性)をもたらし、田中首相在任中に凍結せざるをえなかった。歴史の皮肉だ、という感じがする。日本列島改造論は、過剰流動性という中で引き金となり、土地投機などを活性化させ、地価の騰貴を招いていった。それは確かにマイナス面だ」
総理が国土開発についての壮大なビジョンを打ち出したことは高く評価されるべきだ、と強調する。
「アメリカの未来学者であるハーマン・カーンも官邸を訪れ、『これは大変立派な計画だ。日本が軍事大国にならずに、むしろ平和大国となるための壮大なビジョンである』と誉め言葉を口にした。もし時代状況がよければ、道路網なり、新幹線網なりの整備が急速に進み、まちがいなく地方が活性化されただろう」
地方創生の議論が激しくなっている現在、この「日本列島改造論」の思想は、見直されている。
作家:大下英治