一見丁寧な言葉だけど…「否定形が隠された」子どもが伸びない励まし言葉って?
「ふざけないでね」「忘れものをしないようにね」「負けないように頑張ろうね」一見、丁寧な言葉ですね。でも、皆さんはお気づきですか。これがマイナスに作用することを……。
今日は、『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子が“否定形の言葉を使うこと”についてお話します。
■「脳は否定形に引っ張られる」3つの事例(1)平均台
幅15cmの平均台の上に乗って「絶対に落ちないように気を付けて渡りましょう」と応援されたとしましょう。
「落ちてはいけない、落ちてはいけない」と意識し過ぎて足がフラフラして、きっと「オットトトトト」と落ちます。
でも、全く同じ15cm幅でも、この線が床に書いてある状況で「この上を歩きましょう」と言われるとスイスイ歩けたりします。
なぜでしょう?
後者は「落ちるかもしれない」と一瞬たりとも思わないからです。でも前者のように「落ちないように気を付けてね」と言われると意識がそちらに引っ張られてしまいます。
(2)頭がマヨネーズでまみれた猿
「絶対に頭がマヨネーズでまみれた猿を思い浮かべてはなりません!」
さて、今、あなたの脳の中には何が浮かんでいますか?“頭がマヨネーズで覆われた猿の姿”ですよね。
思い出さないどころかなかなか消えないはずです。
寝る前もまた思い出すかもしれません。
(3)タイガーウッズ
プロゴルファーのタイガーウッズ。最後の優勝争いの時の一球を「もしかしたら入らないかもしれない。だから頑張ろう」とは絶対に思わないそうです。
「必ず入る!」とプラスのイメージをして脳に暗示をかけているそうです。
するとボールが生き物のように10cmの穴に向かってスルスルと向かうそうです。
オリンピック選手もメンタルトレーニングで成功イメージを持って取り組みます。
■「否定形が隠されている励まし言葉」って?
「走らないでね」
「忘れ物はしないでね」
「ふざけないでね」
「お喋りはしないでね」
「立ち歩かないでね」
「負けないように頑張ろうね」
「失敗しないようにね」
丁寧な言葉遣いですが、ここには否定形が含まれています。
次のように言いましょう
「歩こうね」
「持ち物全部もった?」
「先生の方を向いていてね」
「お口を閉じてね」
「椅子に座っていようね」
「1位取れるといいね」
「できるといいね」
■性悪説はやめましょう“人間は生まれつき善である”と考えるのが性善説。これに対して“人間は生まれつき悪である”の前提で考えるのが性悪説。
どちらも“努力していい人でありなさい“と導くやり方で求めるものは同じです。でも結果は違ってきます
(性悪説)
×手洗ったの?
×宿題やったの?
×お友達と仲良く出来たの?
最初から「手を洗っていないだろう」の疑いをかけている言葉。言われた側の子どもは不愉快ですよね。
(性善説)
○手を洗おうね
○宿題やろうね
○今日もお友達と楽しく遊んだのね
いかがでしたか。
ある受験生が「不合格にならないように勉強する」と意識して受験生活を送っていました。でも、暗示のかけ方を変えました。
同じ勉強するにも“憧れのキャンパスライフ”を夢見て、大学の教室で勉強している自分の姿、サークル活動を楽しんでいる数年後の自分の姿”を思い描きながら臨みました。
不合格にならないようにとか、失敗しないようにと絶対に考えないようにしたそうです。
すると、日々の受験勉強も辛くなくなり、当日も実力以上の120%の力を出すことができ見事合格しました。
子どもにかける言葉、意識して言い替えてみるだけで受け取る子どもの気持ちは変わってきますよ。
【参考・画像】
※ Oksana Kuzmina、Kochneva Tetyana / Shutterstock
※ 『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』
※ 『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』
【著者略歴】
※ 立石美津子・・・20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。自閉症児の母。著書は『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『「はずれ先生」にあたった時に読む本』『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』ほか多数。
オフィシャルサイト http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/