これで所要時間を3分の1に短縮できる!集中力の科学的な高め方
きょうご紹介したいのは、『自分を操る超集中力』(メンタリスト DaiGo著、かんき出版)。いうまでもなく、著者は人の心を読み、操る技術を駆使する日本唯一のメンタリスト。テレビなどでもすっかりおなじみです。
そしてタイトルからもわかるとおり、本書のテーマは「集中力」。自身の実体験を踏まえたうえで、集中力を科学的に高める方法を明らかにしているのです。
集中力は持って生まれた才能ではなく、トレーニングによってさらに強化することができるといいます。
いいかえれば、集中できる人とできない人との差は、集中力を発揮する方法を「実践しているか・していないか」にあるという考え方なのです。
ところで著者は本書のなかで、「集中力の高い人は、実は長時間集中していない」という意外な主張をしています。
■集中力は30分ぐらいしか持続しない
「集中力=ずっと続くもの」という捉え方は間違っていて、それは単なる思い込みだというのです。
それどころか、そもそも人間の脳は集中を持続させないようにできているとも。最新の研究によれば、集中力の持続時間は、充分に鍛えられている人で「120分」なのだとか。
また大人でも子どもでも、椅子に座って同じ姿勢のままひとつの作業に没頭できる時間は、長くて30分だそうです。
そして集中力は、勉強などの作業をはじめると徐々に高まっていき、ピークを過ぎるとぐんと下降していくものだといいます。
なお集中力がずっと持続しているように見える人ほど、うまく休憩を挟み、短時間の集中状態を繰り返しているもの。短時間だから疲れない。疲れていないからこそ集中状態を繰り返せるわけです。
■仕事や勉強は時間を区切って打ち切る
そんな「集中力は長く続かない」という性質を逆手に取り、集中できる時間を効果的に使っていく方法があるそうです。
それは、あらかじめ時間を区切り、「もうちょっとやりたかった」「もう少しやれたかな」というところで仕事や勉強を打ち切ってしまうというもの。このメリットは、次の3つだそうです。
(1)ウィルパワー(思考や感情をコントロールする力)を使いすぎる前に終わるので、疲れがたまりにくくなる
(2)15分なら15分、30分なら30分と短時間で区切ると、時間管理がしやすくなる
(3)途中で終わった感覚が残るので、「早くあの続きがしたい」と思える
とくにメリットが大きいのは、3つめ。あえて休憩を取ることによって、休んでいる間も「もうちょっとやりたい」というモチベーションを保つことができるというわけです。
つまり、そういう状態で仕事や勉強を再開すると、スムーズに集中できるだけではなく、それを持続させられるということ。これを「焦らし効果」と呼ぶそうです。
仕事や勉強のスピードを速くしたいのなら、自分のやりたい気持ちを上手に焦らせばいいということです。
■時間は無限にあると勘違いしてはダメ
集中力がいつまでも続くと勘違いしてしまう理由は、時間と同じように「目に見えない資源」だから。
人は目に見えないものについて、「無限にある」と思い込みがち。そしてその勘違いが、集中力をうまく活用できない原因になるということ。
人は「時間が十分にある」と勘違いしてしまうと、目の前の仕事に対してさまざまな選択肢を考え、試行錯誤を重ねようとするもの。
しかし集中力という観点から見ると、デメリットばかりが増していくというのです。
なぜなら人は選択肢が増え、決断する機会が増えるほど「迷い」が生じ、ウィルパワー(意志の力)を失っていくから。
■そもそも集中力は制限があると高まる
ちなみにイギリスの歴史学者シリル・ノースコート・パーキンソンは1950年代に、こうした事態を避けるための対応策を提示しているのだそうです。
それは、仕事や勉強の時間を短く区切ること。先の「焦らし効果」と同じ考え方ですが、やはり集中力は、自由なときよりも制限のある状態のほうが高まっていくということなのでしょう。
時間を区切る、たとえば「定時に帰る」というようなデッドラインが定まると、そこまでに片づけなければならない仕事量と処理にかかる時間を意識するようになるため、発想が変わるといいます。
取り組む仕事が決まり、使える時間が定まると、選択肢が絞られるためにウィルパワーの浪費が減り、集中が増すということ。だから、短時間で高い成果を得ることができるわけです。
■集中力を高めれば3分の1も時短可能
集中力が高まった状態での仕事や勉強は、費やした時間が同じでも、より質の高い成果へとつながるといいます。
あるいは集中力を高め、処理できるスピードを2倍、3倍にアップできれば、所要時間を2分の1、3分の1へと圧縮することが可能。
「重要な仕事ほど忙しい人に頼め」といわれますが、これは忙しい人ほど集中力を活かすリズムを身につけているから。
集中して作業することが習慣化されているため、同じ時間でも人の2倍、3倍の量をこなせるということ。
つまり、「仕事力=集中力×時間」という公式が成り立つというのです。そしてそれは持って生まれた才能ではなく、努力や習慣化、環境の変化によって身につけていくことが可能なのだそうです。
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著者自身が集中力を活用できているだけに、ここで提示されている考え方には説得力があります。「どうも集中できなくて……」と悩んでいる方は、読んでみるといいかもしれません。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※メンタリスト DaiGo(2016)『自分を操る超集中力』かんき出版