眼球が成長しない「小眼球症」ってどんな病? (2/2ページ)
しかし胎生5~6週期でのウイルスによる胎内感染などによっても小眼球の症状があらわれることが指摘されており、必ずしも遺伝だけを原因とすることはできません。
また薬物やアルコールなどの環境要因も関係する場合があると考えられており、その原因の全てを特定できるまでにはいたっていないようです。
「小眼球症」の治療と対策は?
残念ながら、小眼球症を根治する治療法は発見されていません。もちろん、「無眼球」や「極小眼球」のように全盲状態を有する重篤な症状においては、それを回復させる治療法もありません。
しかし対症療法的なものとしては、眼窩(がんか)や眼瞼(まぶた)の形成状態の維持を目的とした「調整義眼」を用いるなど、医療的な意味での義眼が使用されます。例えば小眼球症は片目だけにあらわれることもあるため、こうした場合には調整義眼の役割は非常に重要となります。
また、小眼球症には強度の屈折異常が合併するため、幼児期に小眼球症が判明し、かつ視力を有する場合にはメガネを装用するなど、保有する視力を伸ばす訓練が必要とされます。基本的に、治療が適応される小眼球症の治療法は、低視覚者に向けた「ロービジョンケア」などが中心になるといえるでしょう。
小眼球症の原因は遺伝的な要因が強いとされていますが、辻井伸行さんのようにハンディキャップに負けることなく、偉大な才能を開花させた方も存在します。なによりも重要なのは、私たち1人1人がさまざまな疾患や障害に対する理解を深め、その才能や人生を、決して阻害させる方向に進まないことです。
一番恐ろしいのは小眼球症のような疾患ではなく、「目」をふさごうとする私たちの心なのかもしれませんね。