脱北には「拉致」で報復か…金正恩氏「テロ団」を派遣 (2/2ページ)
(2016年8月21日付朝鮮中央通信より)
事件直後の5月9日、北朝鮮のプロパガンダメディアが、ウェイトレスたちの一人がハンストを行って死亡したと報じており、この事を指していると思われる。しかし、死亡情報自体が、出所不明で「推測」に過ぎない。また、今回の記事も「可能性がある」という表現に留められている。
仮にハンストと死亡の事実があれば、確かに韓国政府の責任は逃れられないが、現時点では北朝鮮の一方的な情報であり、著しく信憑性に欠けると言わざるをえない。北朝鮮としては、集団脱北事件は、あくまでも韓国の謀略であり、自らの正当性を訴え続けなければならないという苦しさが伝わってくる。
ブチ切れ正恩氏の仰天行動北朝鮮ウェイトレスたちの退所と同時に、太永浩(テ・ヨンホ)駐英北朝鮮公使が韓国へ亡命したことが明らかになった。こうした大型脱北事件が、次々と明らかになる背景には、北朝鮮にプレッシャーをかけたい韓国政府の政治的思惑があることは間違いない。
ただし、脱北した当人たちが、強い意志をもって北朝鮮を離れることを選択したことも疑いようがない。この間に起きたエリート層の脱北事件の真相を突き詰めると、どんな内容であろうと北朝鮮は苦しい立場になる。
相次ぐエリート層の脱北は、金正恩氏の求心力が、我々が考えている以上に低下していることを物語っている。本人もそれを自覚しているからこそ、韓国人をターゲットにしたテロ団の派遣という暴挙に出ているのだろう。極めてプライドが高く短気と伝えられる正恩氏が、ブチ切れて仰天行動に出たという情報があるが、あながちあり得る話かもしれない。