【永田町炎上】タレント弁護士は”向日葵バッジ”を付けたペテン師か

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【朝倉秀雄の永田町炎上】

■懲戒処分を食らった女性タレント弁護士の旺盛すぎた金銭欲

「世に悪は絶えない」というのは、『鬼平犯科帳』の中西龍アナの名ナレーションだが、昨今は国会議員だけでなく悪徳弁護士の跳梁跋扈が目に余るようだ。8月2日、「東京弁護士会」は会員の大渕愛子弁護士に不当に着手金を受け取ったとして「業務停止1カ月」の懲戒処分を言い渡した。

 大渕は「美人弁護士」などともてはやされ、稀代の大衆迎合政治家・橋下徹前大阪市長や「オバマ大統領は奴隷の子孫だ」などといい加減なことを口走ってひんしゅくを買った丸山和也参議院議員らと同様、弁護士の本来の使命を忘れ、タレント気取りで日テレ系の『行列のできる法律相談所』に出演していた軽薄な女だが、依頼人が「日本司法支援センター(法テラス)」の代理援助制度を利用した場合には名目の如何を問わず「法テラス」から支払われる着手金・報酬金・実費以外の金銭を受け取ってはならないのにもかかわらず不埒にも着手金の不足分や顧問料の名目で計17万8500円をむしり取ったらしい。

 しかも依頼者の返還請求にも言を左右にして応じず、弁護士会の役員の説得でやっと返したというのだから恐るべきカネへの執着心である。

 そもそも「法テラス」というのは、経済的に資力の乏しい者でも法的サービスが受けられるよう援助する制度だ。大渕は「『法テラス』の趣旨をよく理解していなかった」などと苦しい言い訳をしているが、いやしくも弁護士登録している以上、法テラスの趣旨を知らないわけがない。

 おそらくカネに貪欲な大渕は知らなかったことにして、あわよくば17万円余をそのまま懐に入れてしまおうとの魂胆だったにちがいない。

 いずれにせよ、彼女のような「守銭奴」が法曹界に棲息していたのでは、貧しい者は安心して「法テラス」を利用できなくなる。

■歓迎すべき日弁連の「依頼者保護給付金制度」

 大渕のような輩がいると、弁護士全体の信用失墜にもつながりかねない。折から依頼人らの財産着服など弁護士による悪行が後を絶たないことに憂慮した「日本弁護士連合会」は、救済措置として来年4月から弁護士が有罪判決や懲戒処分を受けた場合、被害者に見舞金として500万円を上限に支給する「依頼者保護給金制度」なるものを創設する方針を打ち出した。

 不正が発覚しても当の弁護士に返済能力がないケースが後を絶たないからだというのだが、大いに歓迎すべきだろう。

 読売新聞の調査によれば、業務上横領罪や詐欺罪で起訴された弁護士は、平成25年1月から同27年11月までの約3年間で23人に上り、被害総額は20億円にも及ぶという。

「成年後見人」として管理していた高齢者の財産や、交通事故の賠償金を着服するケースが多いというのだから、まさに弱い者を食い物にする「害虫」としか言いようがない。

■身内に甘い「弁護士自治」

 弁護士法や所属弁護士会・日弁連の会則に違反したり、職務の内外を問わず、「品位を失うべき非行」があったという理由での懲戒請求は昨年1年だけで2681件にも及ぶ。

 本年8月1日現在、全国の弁護士の総数は3万7626だから、昨年1年だけで全弁護士の約7.14%もが何かしらの不正を働いた疑いがあるわけだ。

 ところが2681件の懲戒請求に対し、実際に審査されたのは168件しかない。請求件数に比べ審査件数や処分件数が著しく少ないのは、弁護士には「人権擁護や社会正義を実現するには、いかなる権力にも服することがなく、自由独立でなければならない」という建前論から医師や公認会計士のように監督官庁がなく、弁護士会の「自治」に任されているからだ。

 懲戒請求を審査する「懲戒委員会」なるものも「種族同盟」と言おうか、弁護士・裁判官・検察官・学識経験者らの「同じ穴の格」で構成されている。

 当然ながら「身内可愛さ」から「お手盛り審査」でお茶を濁そうとする。現に大渕が所属する芸能事務所(弁護士たる者が芸能事務所に所属していること自体がおかしいのだが)の顧問の橋下徹などは8月3日、「業務停止は著しく重い処分であり不当」などと擁護しているが、身内をかばうのはたいがいにしてもらいたいものだ。

■「成年後見制度」と「法科大学院制度」が悪事の温床

 現在、認知症の人は600万人を超える。こうした判断能力が不十分な高齢者や障害者の財産や権利を守るためにあるのが「成年後見制度」だ。目下、20万人近い人が利用しているという。

 後見人として選任されるのは、親族以外では主に弁護士や司法書士などだが、こうした専門職による立場を悪用した不正は平成22年6月から平成26年末までに計62件、被害総額は11億2000万円にも及ぶ。

 会員弁護士の指導的立場にあった東京弁護士会の元副会長が4200万円を着服して有罪判決を受けた例さえあるのだから、弁護士は「向日葵バッジ」をつけた「ペテン師」と言われても仕方がないだろう。

 こうした輩が横行する背景には、「成年後見制度」に加え法科大学院制度で昔よりも簡単に弁護士になれ、平成19年以降、毎年1000人から2000人のペースで増え続けているのに、一方の裁判事件数はここ数年、減少傾向にある。

 限られたパイを奪い合っているのだから、当然、飯が食えない弁護士も急増する。こうした腹を空かせた狼のような連中にとって認知症などで判断能力を欠く者の財産は垂涎の「獲物」に移るだろう。

 いずれにせよ、悪徳弁護士を放逐するためにも早急に「自治」を改め、法務省が厳しく監督する体制に転換すべきだろう。

文・朝倉秀雄(あさくらひでお)
※ノンフィクション作家。元国会議員秘書。中央大学法学部卒業後、中央大学白門会司法会計研究所室員を経て国会議員政策秘書。衆参8名の国会議員を補佐し、資金管理団体の会計責任者として政治献金の管理にも携わる。現職を退いた現在も永田町との太いパイプを活かして、取材・執筆活動を行っている。著書に『国会議員とカネ』(宝島社)、『国会議員裏物語』『戦後総理の査定ファイル』『日本はアメリカとどう関わってきたか?』(以上、彩図社)など。最新刊『平成闇の権力 政財界事件簿』(イースト・プレス)が好評発売中。
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