北の美術商「将軍様激安販売」 (2/2ページ)
金氏一家のエピソードをテーマにした作品に、外国人は関心を示さない。
当局は、販売と制作の担当者を切り離し、制作に当たる女性たちには販売価格が知られないようにしていた。ところが、彼女たちが直接販売も行うようになってから、「将軍様激安販売」の事実を知ってしまったのだ。
「偉大さは口だけ」最初は「なぜ売れないのだろう」と不思議がっていた女性たち。
しかしそのうち、不人気ぶりを肌で感じるようになり、「将軍様の偉大さも口だけだ」などと密かに語るようになってしまった。同時に「帝国主義侵略の斥候兵」などと教えこまれていたキリスト教をテーマにした作品の方がよっぽど人気が高いことも知ってしまった。これは非常にまずい。
一方、絵画の値段も同様の傾向を見せている。「白頭山密営の春」という作品は4620元(約7万円)で売られている一方で、「朝鮮の虎」という作品は2万6300元(約40万円)と約5倍以上の高値で売られている。
前述の798芸術区のギャラリーでは、「一般芸術家」より位の高い「人民芸術家」の作品のほうが高値で売られている。それが世界の常識だ。
しかし、北朝鮮の常識では、たとえ一般芸術家の作品でも、金氏一家関連のテーマのものであれば、人民芸術家の手によるほかのテーマの作品より安く売られることは、ありえないだろう。