障害者礼賛は感動ポルノ?『24時間テレビ』と『バリバラ』に期待するもの|プチ鹿島の余計な下世話! (2/2ページ)

東京ブレイキングニュース

 それは「被害者や被害者の遺族の気持ちを考えろ」という言葉だ。何か事件が起きたとき、加害者の人権や加害者の家族を配慮する声が出ると、よく叫ばれるフレーズである。

 でも私は常々思ってしまう。被害者や、被害者の遺族の気持ちを考えろと声高に言う人は「本当に」当事者の気持ちを想像してるのだろうかと。

 もしかしたら当事者の気持ちを勝手に代弁してるだけで、自分が気持ちよくなっているだけかもしれない。当事者抜きの正義の暴走。それはただのなりすましである。「感動ポルノ」という指摘にも同じような構図を感じた。

 私は24時間テレビの善意も大切だしエライと考える。しかしあまりに当事者以外がうっとりしていると「当事者の気持ちを勝手に代弁してるだけで、自分が気持ちよくなっているだけかもしれない」とも思う。そんなことを考えさせてくれたバリバラは面白かった。

 ただ今後気を付けなければいけないのは、"「バリバラ」が正義で「24時間テレビ」が偽善"というわかりやすい区分けだ。両者のどちらかで勝者を決めるのではなく、両者は共存すればいいのだと思う。毎年同じ時間帯に放送し、お互いを補完しあえばいい。

 たとえば「バリバラ」では、鈴木おさむ氏が「ココが変だよ健常者‼人気芸人VS障害者100人!」という企画を提案した。障害者を扱う番組が「ふつう」になるために。

 これを「24時間テレビ」が取り入れる。相互に出演者も行き来する。そうすれば感動ポルノの成分は徐々に薄まる。「バリバラ攻めてる!」という感想が多かったが、私は決して攻めていないと思う。ふつうを提案しているだけだ。

 来年も「24時間テレビ」と共演する「バリバラ」が楽しみだ。

Written by プチ鹿島

Photo by 相方は、統合失調症

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