処刑でもとめられない「若者の金正恩離れ」 (2/2ページ)
平壌のエリートですらこの有様なのだから、地方の大学の状況は推して知るべしだ。これに対して、青年同盟中央委員会は、政治学習の強化に力を入れる。
慈江道(チャガンド)の情報筋によると、8月初めから青年同盟の各組織別に新年の辞と昨年の朝鮮労働党創建70周年の労作(金正恩氏の著書)、朝鮮労働党第7回大会開幕演説、事業総和報告などを学ぶ学習会が改めて行われているという。
青年同盟中央委員会は、大会参加者を各道庁所在地に呼び集め、新年の辞と事業総括報告の集中学習会を受けさせた。あまりのハードスケジュールに体重が3~4キロも落ちたなどと不満が続出するほどだった。
先月27日から28日にかけて、「青年同盟第9回大会」が23年ぶりに開かれた。これも若者たちに対しての統制強化が目的だったのかもしれない。
しかし、このような学習会を行っても「若者の政治意識や思想は変わることはない」と各情報筋は口を揃えて言う。
90年代後半の大飢饉「苦難の行軍」で配給システムが崩壊した中で子ども時代を過ごしたジャンマダン世代は、国や指導者は何の役にも立たず、むしろ自分たちのやりたいことの邪魔をする「目の上のたんこぶ」程度に考えていると言われている。
また、外国映画や韓流ドラマを通じて、北朝鮮の外の世界を知っている。若者たちは、決して視聴してはならない韓流ドラマをこっそり見ながら、韓国社会にあこがれを持つ。韓流ドラマのファイルを所有していると、最悪の場合、命を落とす危険があるにもかかわらずだ。
金正恩氏が、いくら処刑で体制を引き締め、23年ぶりの大会で若者たちに忠誠心を持たせようとしても無駄だろう。それは、増加する脱北者、そしてテ・ヨンホ駐英公使に代表されるエリート層の相次ぐ亡命が物語っている。