自動運転のクルマが事故を起こしたら、裁かれるのはロボットか人間か? (2/2ページ)
ロボットはその所有者の「代理」として動いていたわけだから、その所有者に責任があるのではないか? と考えられるだろう。
一方、その所有者は、ロボットの設計を信頼して購入した。なおかつ本来の用途に応じて使っているのだから、この事件の責任はロボットを販売した会社だと訴えるかもしれない。
この責任を問うための前例はどこにあるのか?
カプラン氏が取り出すのは、17世紀から18世紀、南北戦争以前の「奴隷条例」である。南北戦争以前は州ごとに奴隷の扱いや法的立場や責任を定めていたが、ほとんどの場合、奴隷は所有物とみなされていた。
それにも関わらず、奴隷が罪を犯したときは例外なく、所有者でなくその奴隷が法的に有罪とされていたのである。
ようは、奴隷は法的には「所有物」だが、独自に意思決定をおこなう能力もある、と考えるのではないかというのだ。
■ロボットをどのようにして罪に問うか――責任はロボットにある。
それが、カプラン氏が導き出す答えである。
では、どのようにしてロボットを罰するべきなのか。こちらはこちらでカプラン氏による面白い議論が展開されている。
現状、ロボットには財産がなく、労働力しか提供できるものがない。
そのため、「人工人格に財産の所有を認めよという強い圧力も生じてくるだろう。なぜなら、人工人格の所有者とは無関係に、そのような財産の差し押さえや科料の対象になりうるからだ」とカプラン氏は予測する。

人工知能の法整備については、今後の課題になっていくだろう。カプラン氏の考えはどうなるのか。
(新刊JP編集部)