金正恩氏の「ミサイル地図」に日本列島が描かれている (2/2ページ)
公開処刑をやめられない
こういった問題について、日本では与党政治家が方針を示すこともなければ、野党が国会で内閣を質問攻めにすることもない。北朝鮮の核・ミサイル開発は、日本からほとんど何のけん制を受けることもなく、ゆうゆうと進んでいる。
もしかしたら政治家たちは、「米国が何とかするだろう」と考えているのかも知れない。たしかに、米国は北朝鮮の暴走をいつまでも放っては置けないだろう。だが、そこで米国の起こす行動が、日本の国益にかなうとは限らない。
7月、米国は正恩氏ら北朝鮮の指導部を制裁指定した。北朝鮮国内における人権侵害の責任を問うてのことだ。これは、北朝鮮が政治犯収容所を閉鎖し、国民に対する公開処刑などの虐待を止めなければ、米朝関係の改善が実現しないことを意味する。
しかし、恐怖政治に依存して体制を維持している正恩氏に、人権侵害を止められる訳がない。
つまり金正恩体制が続く限り、米朝関係の改善はない。ということは、日朝関係の改善もあり得ない。米国が人権問題で北朝鮮に制裁を続けているのを横目に、「我が国には関係ない」と言って、日本が独自に北朝鮮を経済支援することなど考えられない。
ということは、北朝鮮としてはこれ以上、日本と交渉しても何のうま味もないということになる。
つまり皮肉なことに、米国が北朝鮮に人権制裁を加えたことによって、日本人拉致問題を対話で解決できる可能性がほとんどゼロになってしまったのだ。
軍事問題においてもこれと同様に、米国や韓国の動きが思いもよらぬ形で日本に犠牲を強いる可能性があるということだ。
思考停止のままでいてはいずれ、北朝鮮の「核リスク」が日本を直撃しないとも限らないのだ。