【ゴローパパの泣き笑い育児】#02 わが家の救世主!おくるみ“新巻鮭スタイル”
自身の不妊治療奮闘記を綴った『俺たち妊活部』の著者で、妻の壮絶な産後ウツを経験した村橋ゴローが、わが子(愛称グラ太)の育児に日々奮闘し、パパとなっていく育児連載シリーズ『ゴローパパの泣き笑い育児』をお届けします。
初回はグラ太の身に起こった便秘問題、題して“便秘狂奏曲”をお届けしましたが、第2回はおくるみの○○についてです!
◆◇ゴロー一家のプロフィール◇◆ ■いちごクラブ
「44年生きてきて、一番大変な辛い時期はいつだった?」と聞かれたら、そりゃあもう「グラ太が産まれてからの3ヶ月間」と答えるだろう。
グラ太は、とにかく手のかかる子だった。寝るのが下手、母乳を飲むのが下手、アトピー、夜泣き、母親になつかない。これらが同時進行で僕らを襲い、しまいには妻のりえちゃんが産後ウツになってしまった、そんなある日のこと。
午前中、りえちゃんとグラ太は“いちごクラブ”へ。これは区が主催する育児講座のようなもの。
午後、帰宅したりえちゃんは、開口一番「ちょっと! すげーイイこと教わった!!」と興奮気味にまくしたてた。
それはバスタオルで赤ちゃんを心地いい姿勢にくるみ、泣き止ますという方法。通称・おくるみ、というそうだ。
どこかで聞いたことがあるような、ないような。りえはグラ太を使い、早速レクチャーしてくれた。
おくるみには2つあり、まずは頭と足がくっつくほどに赤ちゃんをくるむ方法。これはお母さんのお腹のなかにいたときのポーズを再現させたもので、まだ水平に寝ることに慣れてない赤ちゃんは丸くなることで安心を覚えるのだとか。実際にやってみると、まるで風呂敷で包まれたスイカのようだ。見た目は、あんまりかわいくない。つか、ちょっと怖い。
もうひとつのやり方は、全身をピンと伸ばし“すまき”のように巻く方法。スイカ型でいった「水平に寝るのに慣れてない」という言葉に矛盾するが、赤ちゃんの安眠を妨害するものといえば、モロー反射にある。そのモロー反射を阻止し安眠に導くのが、こちら。
「まだ赤ちゃんは、自分の動きをコントロールできないんだって。だから昨日の夜もグラ太、自分で自分を叩いて、それでビックリして泣いちゃったの」。
バカか、お前は(笑)。
■わが家の救世主、それは“新巻鮭スタイル”
さて実際にグラ太をすまきしてみると……、まるで年末にもらう新巻鮭だ! 胸のあたりに「歳暮」と、のし紙でも付けてベビーカーにでも乗せれば、街ゆく人も「あら、贈答品?」と間違うに違いない。
数晩試したところ、わが家は“新巻鮭”スタイルを採用した。そしてそれからというもの、今までの寝ぐずりは何だったの? というくらいグラ太は寝るのが上手になった。巻き方を完全にマスターした僕は、りえちゃんにはない腕力を使い、新巻鮭は日に日に細くなっていき、「いくらなんでも、これじゃグラ太苦しいんじゃない?」と心配するりえちゃんをよそに、グラ太はすぴーすぴーと寝入った。
この新巻鮭スタイルにくわえ、バウンサー、胎内音を再現したというアプリのザーザー音を併用したころには夜泣きも激減。睡眠がたっぷり取れればお腹もすくわけで、母乳の飲む量も向上。新巻鮭から始まった“正の連鎖”は面白いようにピタゴラスイッチし、わが家に笑顔をもたらした。
■ぶってしまった夜も。グラ太の笑顔に救われる
グラ太は、手のかかる子だった。
冒頭にそう書いたが、それは間違っていた。正しくは、
俺たちは、手のかかる親だった。
グラ太は「眠いのに眠れないよお」「お腹すいたよお」「寂しいよお」と訴えるために、ただただ泣いていただけのこと。グラ太の涙のワケを理解できずに、その解消法も見いだせずに「手のかかる子だ」と嘆いていた俺らこそ、「手のかかる親」だったのだ。
生後2ヶ月を過ぎると、「のようなもの」ではなく、確実に笑ってくれるようになった。その笑顔に、全身がとろけるとうな多幸感と、涙と笑顔が同時に出たときのことを僕は忘れない。
あまりにも、あまりにも夜泣きがひどかった明け方、泣き止ませのためにトントンしていた手を強め、グラ太の背中を少し強く叩いてしまったことがあった。途方に暮れ焦燥のなか「いい加減にしてくれよ!」と。
しかしグラ太が笑ってくれると「もう、いいよお」と赦してくれているように感じられ、心から重たい何かがスーッと抜けていく感覚があり、涙と笑顔が同時に襲ってきたのだ。
「パパあ、もういいよお。笑ってあげるよお」
そんな笑顔に救われたのを覚えている。
(村橋ゴロー)