帝京大の対抗戦初戦で2トライ。熊本の「もっちゃん」、元田翔太の気迫と走り。 (2/2ページ)
監督からいつも言われているように、ものごとを客観的に捉える、と。いま帰るのがプラスになるのか、考えまして。自分たちがすべきことを明確にした。すぐに帰っても力になることはできない、と。色々と思うことはあったのですが…」 岩出雅之監督には、就職を考えていた熊本工高時代に「未熟なまま社会に出るより、成長してからの方がいい」と声をかけられていた。意見を聞き入れ、翻意するまでには時間がかからなかった。 まずは、学生生活とクラブ活動に専念した。「まずはここでできることを一生懸命やることが、幸せに繋がる。よく耳にする言葉ですが、(好きなことを)やりたくてもできない人がいる、と。それを思って、できることを思い切りやりました」。いましたいことよりも、いますべきことを考えた。東京に慣れてきたこともあり、上級生としての自覚も磨いた。「下級生の時にしてもらったアプローチをいまの下級生にできるように、横の繋がり、縦の繋がりを大事にしたいと思っています。例で言いますと、前まで2年生がやっていた食堂での仕事を、いま、4年生がやるようになりました。そうすることで2年生の余裕が生まれ、2年生のうちからチーム全体のことを意識し始めている。そういうのを見る自分としても、来年を見据えるうえで参考になっています」 震災発生から約1か月後、故郷の両親や友達に出会った。「自分が思っていた以上に、元気で。そこが故郷の強さ」。己が体験したことを噛みしめ、言葉にする時、「逆に、元気をもらった」と口にするのである。 八代市はどんなところかと聞かれると、「大自然にあふれた、皆さんが連想する田舎です。でも、大好きです」。野性味あるランは、控えチームの試合を視察するトップリーグのスカウトにも注目され始めている。
(文/向 風見也)