嘘美談ばかり?中国人が語るG20終了時の中国の捏造報道 (2/2ページ)
■アメリカは融和ではなく警告を行った
例えば、アメリカのオバマ大統領が航空機から降りる際にタラップが用意されず、大統領の側近たちが中国当局から激しい注意を受けた問題を、世界各国のメディアは「意図的な嫌がらせか?」と疑問視しましたが、機関メディア側は「欧米メディアによる誹謗中傷を目的とした報道」と、「逆ギレ」のような見解を唱え、五毛党(報酬と引き換えに、中共政府に対し肯定的な意見を書き込むネットユーザーの総称)たちは「ここは中国の杭州だ!米帝は中国に対し生意気を言うな!」などとポピュリズムを扇動しました。
米中間の対応は今回のG20において大きな話題となりましたが、米中首脳会談後、習主席がオバマ大統領を誘って西湖付近の茶室で会談をしたことを受け、機関メディアは「会談の結果、重要な35件の結果を得た」と、中国側にとって有益な会談になったことを強調しました。しかし、アメリカ・ホワイトハウスのホームページによると会食時にオバマ大統領は
(1)南シナ海仲裁の結果を中国側が受け入れること
(2)米中両国の間にミサイル発射の連絡メカニズムを設けること
(3)人権弾圧とインターネット情報規制問題の改善
(4)チベット、ウイグル自治区に対する宗教弾圧の停止
(5)日本、フィリピン間との領海問題に対し、国際海洋公約を適用すること
以上の5つの事項を提案したのです。つまり今回の会談は米中間の「融和」ではなく、横暴を続ける中国に対するアメリカからの「警告」だったのです。
G20が開催された杭州市は僕の出身地ですが、実家の母親に連絡したところ、「会議が大成功した」という機関メディア側の発表を完全に信用していました。また日本の安倍晋三総理が来訪したことを嬉しそうに語るなど、尖閣諸島付近の船舶侵入問題をはじめ、現在日中間の緊張が高まっていることは全く知らない様子でした。中共政府は自国民に嘘で塗り固めた美談しか伝えません。
著者プロフィール

漫画家
孫向文
中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)など。
(構成/亀谷哲弘)