実態は単なる出稼ぎ?中国の狡猾な”パンダ友好ビジネス”のウラ事情 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■パンダビジネスは停止するべき

 多くの中国人も上述の「パンダビジネス」には否定的で、以前僕が数名の在日中国人と会食した際、「狡猾だ」などと口々に批判していました。もともと野生生物のレンタル行為は国際法で禁止されているはずですが、自国の希少生物を貸し出し、毎年多額の費用を徴収する中国の手法は暴力団による悪徳商法を連想させます。知人から日本には「人気がとれる見世物」という意味の「客寄せパンダ」という言葉があると伺ったのですが、宗教団体「法輪功」傘下の反中共メディア「大紀元」は自国のパンダビジネスを「出稼ぎパンダ」と評しました。

 また、経済発展のために環境破壊、乱開発を繰り返す中国が希少生物保護を訴える姿は滑稽に思えます。このまま環境破壊が継続されるなら、ジャイアントパンダの生息地は汚染され再び絶滅の危機に瀕するでしょう。もし中国側が本気でパンダの保護を考えているのならば、乱開発の停止、パンダの生息地となりえるチベット自治区の独立・保政政策などを実行する必要があると思います。しかし、現状はチベット人が神聖視する山を金脈発掘のために爆破するなど、中国は暴虐の限りを尽くしています。中共政府の行為に対する抗議として焼身自殺するチベット人が後を絶ちません。

 知人によると、ジャイアントパンダは日本では非常に人気が高い動物で、動物園には連日多くの見学者が訪れるそうです。しかし、かわいらしいパンダの裏側では中国による狡猾なビジネスが展開しているのです。僕は現中共体制が退陣し新政権が誕生すれば、パンダ保護、そして中国全土の環境良化につながると思います。

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)など。

(構成/亀谷哲弘)

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